“グラウンドの指揮官”とも言われる捕手だが、実際に監督としてチームを率いるかつての名捕手がいる。今季、12球団の中では楽天・梨田昌孝、ロッテ・伊東勤、中日・谷繁元信監督の3人。中でも梨田監督、伊東監督は優勝経験もあり指揮官として実績十分だが、自軍の捕手にどのような教えを授けているのだろうか。 楽天・梨田昌孝監督 / 勝てる存在へ、日々の行動が大事
「嶋(基宏)は痛い思いをしただろうが、チームとしても痛い」
最下位に低迷していた梨田昌孝監督が沈痛の面持ちでこう語ったのは5月19日のことだった。前夜の
オリックス戦(岩手県営)の初回、守備中に相手打者のファウルチップを左手に受けて途中退場した正捕手・
嶋基宏の診断結果が「左手豆状骨骨折、左手三角骨亀裂骨折」と発表されたからだ。全治1カ月以上と見られ、前半戦での復帰は絶望的となった。
同時に大きな決断を下した。「大学、社会人の経験があり、肩も強い。本来は川本(良平)や伊志嶺(忠)だろうが、若い力に期待したい」。パナソニックからドラフト6位で入団してきたルーキー・
足立祐一のスタメンマスクを明言したのだった。
だが、「一軍初昇格、即スタメン」となった21日の
日本ハム戦[札幌ドーム]は、少々ほろ苦いものとなった。先発・レイとのサイン交換がうまくいかず、3回一死二塁から捕逸で走者を三塁に進めてしまう。その後も立て直せず失点を重ね、デビュー戦で黒星を喫することになった。
梨田監督は「それなりにはできたのかなと思う」と一定の評価を示しながらもこう言った・・・
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