神奈川の強豪・横浜高から、今年も未来のスター選手がプロへ挑戦する。今夏の甲子園、アジア選手権を通じて活躍し、ドラフト1位候補に挙がる152キロ右腕・藤平尚真。多くの同校OBが一軍で活躍する背景には、確固たる理由があった。荒木大輔氏は早実時代の1年夏(1980年)、甲子園決勝で惜敗した「YOKOHAMA」の伝統の強さを肌で知っている、元プロの鋭い視点から、超高校級の心技体に斬り込んでいく。 取材・構成=岡本朋祐、写真=矢野寿明 高校3年間、汗を流した横浜高野球部の専用球場である「長浜グラウンド」を背景にして撮影。千葉県出身だが、プロを目指すため、指導力の高い神奈川の超名門校を志望したという
エースが率先して廊下を雑巾がけ
取材場所となった「長浜グラウンド」は1987年10月に完成。松坂大輔、涌井秀章、筒香嘉智ら一流選手を輩出した球場に、荒木氏は初めて足を踏み入れた。甲子園優勝5度の記念碑、歴代OBの名前が刻まれた石碑などが並ぶ。152キロ右腕は「プロ」がより身近な恵まれた環境の中で3年間、意識高く取り組んできた。侍ジャパンとして優勝したU-18アジア選手権(台湾)で、高校野球は一区切り。美容師の母親にきれいにカットされた髪型でより、精悍さが増している。 荒木 ドラフトまで10日を切ったけど、率直な心境はどうかな?
藤平 まだドキドキした思いもなく、今の練習をしっかり消化していこうと。近づいている感覚はないです。
荒木 やはり、1位が良い?
藤平 はい!1位で指名していただけるのであれば、それが良いです。
荒木 横浜高出身のプロ野球選手が多い理由に、渡辺元智終身名誉監督は「プロはどんな人でも平等に目指せる。身近な先輩がいるから、高い目標で、そこを目指せる環境にある」とおっしゃっていますが、実際に感じる?
藤平 松坂(大輔、現
ソフトバンク)さん、涌井(秀章、現
ロッテ)さんを指導した渡辺監督に2年間教えていただき、生かせる部分がたくさんありました。
荒木 印象に残る言葉はある?
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