戦力外通告を受けた選手が、プロ野球の場に戻ってくる確率は非常に低い。だがその中で、メジャー球団からスカウトされ、マイナー契約を結び、9月にはメジャー昇格目前まで行った選手がいる。それが昨年ロッテを戦力外となった中後悠平だ。マイナー契約を結ぶまでの経緯や、アメリカでの活躍ぶりを語ってもらった。 取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM、Getty Images 結果も必要だがもう一度楽しい野球をする
昨年のトライアウトで中後は打者3人に対して2四球、1死球という最悪の投球だった。しかし、変則型の左サイドスローは希有な存在ということもあり、メジャー球団のダイヤモンドバックスが声をかけた。「君が必要」という熱い誘いに、中後の選手としての本能が呼び起された。 
昨年のトライアウトでは2四球、1死球という最悪の内容で、プロ野球復帰の道は絶望的だった。しかし、メジャーのスカウトは違う視線で中後を見ていた
今はいつクビを切られてもおかしくないマイナー5年契約です。それもマイナーの最低年俸で、結果を残さなかったら終わりです。そういう契約の中で、1年間野球をすることができました。
昨年、ロッテを戦力外となり、トライアウトを受けたのですが、結果が悪くオファーはないかな、と思っていました。でも、その後BCリーグの武蔵と契約を結びました。そこで結果を出し、なんとかNPBに復帰しようと考えていました。
でも、契約した後にメジャー球団のアリゾナ・ダイヤモンドバックスからオファーが来ました。最初、電話がかかってきたときは「は?」という感じだったんです(笑)。
もともとアメリカには興味がまったくなくて。それに会話もできないから、アメリカに行きたくないし……ということで、ずっとオファーを断っていたんです。武蔵と契約をしていたので、それを断るというのはいけないな、とも思っていたんです。
それでもスカウトが話をしに来てくれて、いろいろ聞いているうちに、行ってみたいな、という気持ちになりました。
その理由は2つあります・・・
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