「2016年広島東洋カープの経済効果は340億円」。昨年11月、中国電力エネルギア総合研究所の発表が全国を駆け巡った。340億円……それってどれくらいすごいことなの?カープが広島にもたらした恩恵を調査すべく、本誌マネー特捜部は同研究所に直撃取材を敢行した。 取材・構成=吉見淳司、写真=BBM、取材協力=中国電力エネルギア総合研究所 東京マラソンよりも広島カープ!?
2016年に25年ぶりのリーグ優勝を果たし、空前絶後の盛り上がりを見せた広島カープ。広島では試合日となれば赤いユニフォームを着たファンがあふれかえり、街全体での応援ムードを感じた方も多いはずだ。
試合観戦のためにマツダ広島を訪れたファンが使ったお金(支出額)に加え、例えばスタジアムでお弁当を買った場合、その容器や野菜、肉などを作っている企業や農家、さらにはその容器の材料を作っている企業……など、網の目のように広がる波及効果を合計したのが経済効果だ。

観戦のおともに購入する飲食物も、経済効果の一部となっている
09年にマツダ広島がオープンして以来、広島県内におけるカープの経済効果をまとめたのが表1だ。
10年から13年は180億円前後だったが、14年には217億円に大幅アップ。さらに15年には248億円、そして16年は過去最高となる340億円を記録した。
ちなみに、関西経済連合が発表した、11年開催の東京マラソンの経済効果は240億円。東京マラソンは1日での記録だが、東京で行われ、観客を含めれば200万人を超える人々が集まるビッグイベント。広島の規模でそれを上回る数字をもたらしているのは驚くべきことなのだ。
この経済効果を調査した、中国電力エネルギア総合研究所の森岡隆司さんはこの増加の要因をこう分析している・・・
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