2013年から侍ジャパンを率いる小久保裕紀監督は、日本のストロングポイントを“投手力”とし、今大会での世界一奪回に向けたカギを握る存在として、13人の投手陣を挙げる。ここでは、彼らの中でも特に重要な役割を担う投手にクローズアップ。侍ジャパンのエースで、ほかを圧倒するパフォーマンスが期待される菅野智之に、内に秘めた思いを聞く。 取材・構成=坂本匠、写真=小山真司 期待に、応えたい
日本のトッププロたちといえど、侍ジャパンに合流して数日は「落ち着かない」というのが本音だそうだが、何ひとつ変わらず、1人マイペースに調整を続けていたのが菅野智之だ。集合日の2月22日に、所属の巨人で楽天との練習試合に登板(3回1安打無失点)していたこともあるのだが、初日は投内連係に参加したあとは個人調整。翌日も終日スケジュール調整は菅野の判断に任され、4日間の合宿期間中は遠投など自らが確立した調整を進めた。早くから小久保裕紀侍ジャパン代表監督に「先発の軸」と指名され、1次ラウンドでは第2戦のオーストラリア戦先発が濃厚。決勝まで3試合の先発が予想される日本のエースへの期待は、いやがうえにも高まる。 
代表集合直前の巨人キャンプで対外試合に登板したこともあり、4日間の合宿ではブルペンを含め登板はなし。最終日には遠投で感触を確かめるなど、マイペース調整を貫いた
──3月7日の第4回WBC開幕が目前に迫ってきています。昨年もペナントレース開幕に向けて、例年よりも早いペースで仕上げ、スタートダッシュ(3、4月は6戦3勝0敗)に成功しました。それよりも今大会は約20日早い“開幕”です。
菅野 正直なところ、これだけ早く仕上げなければいけないというのは、簡単なことではないです。でも、WBCに出場できるのは、誰もが得られる権利ではないですよね。実際、僕も初めての舞台で、変な意味じゃないですけど、不安は当然、あります。でも、そういう気持ちが芽生えるからこそ、その不安を打ち消すために・・・
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