次代の“ニューヒーロー”へ早くも名乗りを上げているルーキーを中心とした若き選手たち。まずはカモメの先発ローテーションを勝ち取った佐々木の初先発をチェックしていこう。 写真=川口洋邦 佐々木が新人の先発勝利一番乗り!
ZOZOマリンの空は荒れていた。4月6日の
日本ハム戦、この日は朝から抜けるような青空が広がっていたが、試合前練習が始まる10時過ぎになると、厚い雲が押し寄せてくる。試合開始の14時には、上空を10メートルを超える強風が吹き荒れていた。しかし、プロ初登板初先発を果たしたルーキー・
佐々木千隼は最後の最後で何とかマリンの風を御し、力で日本ハム打線を抑え込む。5回3安打6四球1失点、12球団一番乗りで新人の先発勝利をもぎ取った。
風に苦しみ、最後は風に助けられた。自慢のカーブとシンカーは強い風の影響を受け、大きく曲がり、落ちる。そして、
伊東勤監督が試合前に「風が強いので制球に苦しむかもしれない」と危惧していたことが現実となった。風を味方にツーシームの威力を増して
ロッテ打線を翻ろうした相手先発の
斎藤佑樹とは対照的に、「(風は)予想以上だった」という佐々木は鋭く曲がる自らのボールを操り切れない。捕手の
田村龍弘が何度となくのけぞり、左右に動きながら必死にボールを押さえていく。
初回は二番に入った
大谷翔平へ四球を与えるも、三番・
近藤健介を二ゴロ併殺。2回には先頭から連続四球でピンチを招くが、田村の盗塁刺殺もあって無失点。しかし、味方が先制した直後の3回。先頭の
中島卓也にこの日早くも4つ目の四球を与えると、一番・
西川遥輝への初球、カーブが曲がり過ぎて田村が捕り切れず、中島卓が二進。西川の左前打で同点とされる。
ただし、「変化球は風の影響を受けたが、田村が有効なボールを選んでくれた」と振り返ったように、コントロールすることさえできればこの日のカーブとシンカーは“魔球”。それを必死に低めへ投げ込み続けた。5回、中島卓に中前打を浴び、2、4回に続く先頭打者の出塁を許しながら、西川をカーブで、大谷をシンカーで空振り三振。近藤に6つ目の四球を与えるも、四番・
中田翔からやはりカーブで空振り三振を奪うと、「自然に出た」という“らしくない”ほどの大きなガッツポーズを見せ、5イニングでマウンドを後にした。
その後、チームもルーキーの初勝利を完全バックアップ。6回を終えて4点のリードを奪っていたものの、7回
大谷智久、8回
内竜也、9回
益田直也の必勝リレー陣を惜しみなく繰り出し、5対1の完勝へつなげた。
笑顔を浮かべながらも「うれしい気持ちはあるが・・・
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