高校時代はショート、プロに入ってからはさまざまな場所を守った浅村栄斗。2013年にファーストでゴールデン・グラブ賞を獲得したが、翌年からセカンドに本格転向した。難易度の高いポジションで徐々に成長。強打の二塁手として、さらなる進化が楽しみな背番号3が語る二塁守備の神髄とは──。 取材=中島大輔、写真=内田孝治、菅原淳 キャッチャーを除き一番頭を使う
──セカンドを中心に守って3年目の昨季、ベストナインを受賞した際、「ファーストからセカンドになって目標としていた」と話していました。二塁手へのこだわりから目指していた賞ですか。
浅村 ファーストをやっているときから(2011~13年)、いずれは二遊間でレギュラーとして出たいという思いでいました。野球を始めてから二遊間をずっとやってきたので、そのポジションでパ・リーグで一番になりたいと思っていましたね。
──二遊間は守備のうまい人が守るというイメージですが、そういう気持ちはありますか。
浅村 ありますね。セカンドはしんどいポジションですけど、その半面、楽しさも貢献度もある。本当にやりがいを感じられるポジションです。

昨年は二塁手でベストナインを獲得[左から3人目]
──楽しさはどんな点にありますか。
浅村 ピンチでいいプレーをして、ゲッツーで終われますよね。それに、どの打球にも二遊間は絶対に絡んでくる。ベンチに信頼してもらえないとレギュラーとして使ってもらえないと、ずっと思ってきました。
──「すべてのポジションの中で二塁が最も難しい」という専門家も少なくありません。浅村選手は内野の全ポジションを守ってきましたが、どのように感じていますか。
浅村 ショートはショートの難しさやしんどさがあります。セカンドは動きが逆になるので、その辺が難しい。強いて言うなら、セカンドのほうが難しいと思いますね。
──逆の動きに加えて、セカンドはやるべきことも多いですよね。具体的にはどんな点が難しいですか。
浅村 カバーリングですね。セカンドは一番動かないといけません。バント処理もそうだし、ショートゴロやサードゴロでも一塁へカバーリングに行かないといけない。外野の間を抜けたら、カットマンになる。ゲッツーの場合、動きの流れのなかでファーストが見えないので難しい。それにランナーが見えないから怖い。セカンドの難しさはいろいろあります。
──頭と心の体力が求められるポジションだなと感じました。
浅村 僕自身、セカンドとして勉強してきたつもりだし、いまも勉強している最中です。キャッチャーを除いて一番頭を使うポジションかな。
──15年春のある記事で、「セカンドは頭を使って守れと言われるが、自分は感覚で守っているから難しい」と答えていましたが、現在の考えは変わってきたのではないですか。
浅村 感覚で守るのは今でも大事にしています。その中で昔より頭を使うようになりました。セカンドは打球に応じてプレーが変わるので、状況判断や頭を使うことが昔よりできるようになったかなと思いますね。
──頭を使うというのは、相手打者やピッチャーの球種で打球の位置を予測するということですか。
浅村 それもあるし、ほかにもいろいろあります。簡単なことから言うと、無死一塁、一死一塁でセカンドの前にボテボテのゴロが来たとして、ランナーは・・・
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