大卒からプロ入りし、出身地も同じ岐阜県。現在はともにチームのキャプテンも務めるなど、何かと共通点が多い嶋基宏と大野奨太。指揮官やナインからも厚い信頼を寄せられる2人の捕手が紡つむぐヒューマンストーリー。 
※嶋基宏選手は腰痛のために4月29日に出場選手登録抹消となりました
楽天・嶋基宏 類まれなリーダーシップで再び歓喜を
責任感から来る、苦渋の決断だった。侍ジャパンのメンバーに入っていた嶋基宏は、WBC本戦が始まる直前の3月4日、「一番は悔しいです」という言葉とともに、出場辞退を発表した。「チームの精神的支柱として、ともに戦ってきてくれた。嶋の思いを背負い、本大会に臨みたい」。侍ジャパンの
小久保裕紀監督はチームを通じてこうコメントしている。その言葉どおり、1次リーグからすべての試合で、嶋の「背番号37」がベンチに掲げられた。
無理をしては
楽天にも迷惑がかかってしまう──。そんな思いも決断を後押しした。プレーできない状態で代表チームに帯同しても調整は遅れるばかりだったはずだ。3月31日の開幕戦。先発オーダーには「嶋基宏」の名が刻まれていた。世界一へのチャレンジをあきらめたのは、この日を万全に迎えるためだった。
岐阜県海津市出身で、日新中、中京大中京高、国学院大とすべてのカテゴリーで主将を務めたリーダーシップの持ち主だ。そして楽天入団後は、11年にプロ野球選手会の会長に就任。東日本大震災で球団も被災する中、「見せましょう、野球の底力を」という力強いメッセージを送り、多くの人の胸を打った。
15年からはチームのキャプテンを務める。胸に『Cマーク』が躍る2人の捕手が先発マスクをかぶり、直接対決が実現したのは4月16日の
日本ハム戦(Koboパーク宮城)。ともに6投手をリードする大熱戦となった。5回に大野奨太が本塁打を放てば、その裏、嶋はバッテリーの意表を突くセーフティースクイズに成功。互いにバットでも貢献する中・・・
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