2000年代初、1985年以来となる優勝は闘将・星野仙一監督時代の2年目だ。続出した大逆転ゲームに加え、今年の戦い、さらに言えば、85年との共通点も多かった。1964年編・1985年編 文/高原寿夫(日刊スポーツ) 
リーグ優勝で胴上げされる星野監督。体調不安から同年限りで退任した
縁起のいい監督2年目
関西方面、いや全国的にも今季は「ひょっとしたらひょっとするぞ」というムードにあふれているかもしれない。
その次に「いやいや。まだまだ。何言うてんねん。早い早い」と続くのが一般的なのだが、とりあえず今季は
阪神が強い。5月を終えて首位こそセ・リーグ連覇を狙う
広島に譲り渡したが貯金8での交流戦突入は予想以上の健闘といっていい。
さらに今季、巷(ちまた)でささやかれているのは「あの年に似ているんちゃうか?」ということだ。
「あの年」とは闘将・星野仙一を指揮官に据えて2年目、歓喜の18年ぶりセ・リーグ優勝を果たした2003年、栄光のシーズンである。
よくよく見るとそうでもない部分も結構、見えてくるのだが、そこは雰囲気。なんとなくあの勢いにあやかりたいというファンの気持ちはよく分かる。
まず状況的に似ている。星野は1年目の02年、開幕カードの
巨人戦[東京ドーム]で3連勝を飾ってから快進撃を続けたが失速、結局、4位に終わった。そこで選手を大量に入れ替え、戦力を整えた。
象徴が広島からFAで獲得した
金本知憲とメジャー帰りの
伊良部秀輝だった。その2人の活躍もあって、
桧山進次郎、
今岡誠、
八木裕らの生え抜きも息を吹き返し、圧勝した。

広島からFAで加入した金本は三番打者として活躍
金本監督の1年目だった16年は星野の改革を意識したようにキャッチフレーズは「超変革」。若手を積極的に起用し、開幕直後は好調で4月14日まで首位を走った。しかしやはり戦力不足がこたえ、徐々に落ち込んで、最下位の時期も長く、最後に4位へ滑り込んだ形になった。
2年目の今季は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン