1年前に球界にとどろいた号砲が、再び広島の夜空にこだました。昨季は大ブレークした期待の若手として、そして今回はチームを背負う主砲として。忘れ得ぬ記憶を、22歳の求道者が刻んでいく。 
/写真=太田裕史
25年ぶりのリーグ優勝を果たした昨季のペナントレース。広島の運命を変えた4試合があった。一つは8月7日の
巨人戦[マツダ広島]。負ければ3.5ゲーム差とされる大一番で、9回二死まで1点のリードを許しながら、
菊池涼介のソロ本塁打と
新井貴浩のサヨナラ二塁打で巨人の息の根を止めた天王山の戦いだ。
ほかの3試合。そのすべてを決めたのは、
鈴木誠也のバットだった。
本拠地で迎えた6月17日からの
オリックス3連戦で、サヨナラ、サヨナラ、勝ち越しと3試合連続の決勝本塁打。勢いに乗ったチームはこの試合を挟んで32年ぶりの11連勝を飾るなど、まだ半信半疑のファンも多かったリーグ制覇の夢を、現実のものへと変えた瞬間だった。
緒方孝市監督が発した「神ってる」の言葉は全国を駆け巡った。期待の若手は一躍、チームの顔へ。今年3月に開催された第4回WBCでは侍ジャパンに選出されるなど、一躍スターダムに躍り出た。
そして今季、4月終盤に、昨季のMVPに輝いた新井から四番を継ぎ・・・
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