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ソフトバンク・東浜巨 危機感を力に変えて

 


 開幕時の“期待値”を、見事に上回り、飛躍の一年としてみせた。5年目の東浜巨は、チームの柱として急成長。左ヒジを手術した和田毅、右肩を痛めた武田翔太、左背部に張りを訴えた千賀滉大と、2ケタ勝利経験者が軒並み不在となった時期が続いた。だが、東浜は離脱することなく、むしろ先発陣の先頭に立ち、イニングを消化、勝ち星を挙げてきた。

「結果が良かろうが、悪かろうが、それを次に引きずらない。シーズンを通して投げとおすことを考え、それができるようにやっていきます」

 波をつくらない、自分の投球を継続する。それは昨季の経験と悔しさから得た教訓だった。登板23試合で9勝6敗、135投球回。先発ローテーションにようやく定着できた一方で、勝利数は大台の2ケタ勝利にあと一歩で届かず、先発投手の一定の評価の目安である規定投球回にも8イニング足りなかった。

 自分に足りなかったものは何なのか。「良くない投球だったとき、それを引きずってしまっていた」という。気持ちも体の状況も一定であり続けるよう、シーズンを通してコンディションを整えてきた。もちろん、維持するだけではない。2月の春季キャンプから、週2回の投球練習を継続した。先発投手として、強い真っすぐを投げることを軸にしてきた。

 ドラフト1位で入団したが、目立った結果を残せないまま、3年目のシーズンを終えた2015年オフ。一念発起し、メジャー・リーガーも使うアメリカのトレーニング施設で約2週間の自主トレを敢行した。シーズン中に強化した体を休ませ過ぎることなく、翌年に突入。それを16年オフも続けた。「このまま結果を残せなければ、この世界にいられない」という危機感は誰よりも強かった。

 ひたむきさは実を結ぶ。東浜は誰よりも、そのことを知っていたのだろう。今季、自身3戦目に初勝利を挙げると一気に6連勝。6月13日の巨人戦[東京ドーム]では7回途中5失点と打ち込まれたが、次戦の同23日の西武戦[ヤフオクドーム]では新人年以来の完封勝利をマークした。見事なV字回復。連敗することなく、ペナント奪回まで突き進んだ。

「開幕したときは5、6番手。二軍にも良い投手がいっぱいいるから、気を抜くことなんてできない」

 7月27日の楽天戦[Koboパーク宮城]では念願の2ケタ勝利をマーク。ホークス先発陣に欠かせぬ柱となり、リーグ制覇までチームの先頭に立ち続けた。

東浜[前列中央]はV決定試合となった9月16日の西武戦[メットライフ]で先発し、6回2安打1失点、9奪三振と気迫のピッチング。先発陣の中心としてフル回転した。前列左はバンデンハーク、同右は千賀、後列左から石川柊太、武田、和田、中田賢一松本裕樹

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