この夏、甲子園の歴史に新たな1ページを刻み込んだ中村奨成は、一躍ドラフト最上位候補の1人に躍り出た。聖地で最も多く(1大会=6本)のアーチを描いた強打の捕手には、内野手転向で打撃面を伸ばすことを視野に入れた指名を明かす球団もあるようだが、果たして本人の想いは──。 取材・構成=坂本匠、写真=佐々木萌、BBM 
国体終了後も後輩たちに混じってみっちり練習。プロ入りまでにビルドアップを誓う
“有言実行”の男。胴上げと上位指名
中村奨成が発する言葉には、不思議な力があるようだ。コメント力のことを言っているのではない。言霊(ことだま)とでもいうのか、口にした前向きなターゲットを、限りなく理想に近いかたちで実現する力を帯びているように思う。今年の5月半ば、2014年の夏以降、全国の舞台から遠ざかる広陵高復権のキーマンとして、捕手の中村を中心としたバッテリーを取り上げるため、同校を訪ねたときのことだ。
全国にくまなく目を光らせる高校野球通など、まだ知る人ぞ知る存在だった中村に、卒業後の進路について訪ねると、力強い言葉が返ってきたのを思い出す。
「1年生(※春の
広島大会でベンチ入り。夏以降正捕手)から使ってくれた中井(中井哲之)先生のためにも、まず・・・
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