圧倒的な戦力で今季MLB最多の104勝を挙げ、29年ぶりのワールド・シリーズ進出を果たしたドジャース。その中でレギュラーシーズンは先発として13勝、ポストシーズンはリリーバーとして9試合で防御率0.84という素晴らしい数字を残し、存在感を示したのが前田健太だ。世界一の頂が見えたことで来季、新たなるマエケン・スタイルが出来上がる予感がする。 取材・構成=椎屋博幸、写真=Getty Images、BBM 
ワールド・シリーズでも好投した前田。気合の入り方もポストシーズンの倍以上で、雄叫びも自然と出てきた
WSの緊張は想像以上
──ワールド・シリーズ第7戦で勝ち切れず、悔しさは残っていますか。
前田 まったくないですね。もう来年に向けてという感じです。試合が終わった時点で、すぐに切り替えられましたね。
──意外にあっさりと切り替えられたのですね。
前田 もちろん、悔しいですよ。でも悔しさは半分で、残りの半分はいい経験ができたなあ、という感じで、敗戦を引きずっていないですね。
──負けたときには、もっと悔しさを引きずるタイプかな、と思っていました。
前田 負けたときの悔しさというのは想定もしていませんし、勝ったときの想像しかしていません。ただ、シーズンの最後の最後まで試合をしましたから、やり切ったぞ、という感情のほうが強いです。
──レギュラーシーズンからポストシーズンはやはり長かったですか。
前田 長いという感じよりも、ワールド・シリーズのものすごいプレッシャーからようやく解放されたぞ、という安ど感のほうが強いですね。緊張感もすごかったですから。
──ドジャースは特に勝って当たり前の戦力でしたからね。
前田 (ナ・リーグ西地区)5連覇はしましたけど、チームはワールド・シリーズ進出が29年ぶりだったですし、選手のほとんどがワールド・シリーズを経験していなかったので……プレッシャーという意味では今季最多の104勝したことで、逆に勝ち抜かないといけないというほうのプレッシャーが大きかったと思います。
──今年は昨年敗退したリーグ優勝決定シリーズでカブスを破り、リベンジを果たしました。
前田 あのときは、ワールド・シリーズに行けるぞ、といううれしさがありました。昨年の負けで、ワールド・シリーズに行かないと意味がないと・・・
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