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2018ドラフト特集

12球団編成&スカウト布陣 2018スカウティングリポート セ・リーグ編

 

年明けと同時に2018年ドラフト戦線が本格的に動き出した。毎シーズン、高い関心を集めるスカウティング活動ではあるが、各球団の編成&スカウトの顔ぶれはあまり表に出てこない。ここではどんな経歴のスタッフが、どんな意図で選手を発掘しているのかを検証することで、12球団のスカウト方針を比較する。


広島・伝統的な生え抜き育成


 スカウト歴が最も浅い末永真史氏でも、2018年で6年目。9人の精鋭スカウトが、大型補強に頼らずに生え抜き選手を育てて勝つ伝統のスタイルを支えている。統括部長の苑田聡彦氏が、当時は東都大学二部リーグだった専大の黒田博樹(元広島ほか)の視察に通いつめ、信頼をつかんだ逸話は有名だが、菊池涼介薮田和樹鈴木誠也ら、全国区での活躍がない選手でもしっかりと実力を把握し、他球団に先んじて指名する観察眼とドラフト戦略には定評がある。基本的には担当を越えてドラフト候補選手をクロスチェックをすることはなく、スカウトはそれぞれの地区を一任されている。それだけに確かな眼力と、豊富な情報網は他球団以上に重要となる。

■編成&スカウト一覧 (※=2018年新任、復帰)
苑田聡彦 (スカウト統括部長)
白武佳久 (スカウト部長 中国・四国地区)
近藤芳久 (スカウト 北海道・東北地区)
高山健一 (スカウト 関東・北信越・中部地区)
田村恵 (スカウト 九州地区)
松本有史 (スカウト 関東・東海地区)
尾形佳紀 (スカウト 関東地区)
鞘師智也 (スカウト 近畿地区)
末永真史 (スカウト 九州地区)

阪神・地元 関西高校生に注目


 2016年限りでベテランスカウトの中尾孝義氏、北村照文氏が退任し、17年から筒井和也氏が加わった。今季から地区担当をはっきりと分ける方針だという。昨季までは九州と四国を担当していた田中秀太氏を九州地区専任となる。「大会を地区ごとに行うので、そういうほうがベターではないか」と佐野仙好統括スカウト。1月8日にスカウト会議を開き200人をリストアップ。今季は高校生野手を中心とした戦略を練ることが判明しているが「地元選手に注目していきたい」と佐野統括スカウトは語り、関西地区を中心に注目していく。報徳学園高・小園海斗、大阪桐蔭高の根尾昂藤原恭大、天理高・太田椋などが有力候補。地元色を意識したスカウティングになりそうだ。

■編成&スカウト一覧
谷本修 (球団本部本部長)
佐野仙好 (球団本部アマスカウト 統括スカウト)
永吉和也 (球団本部アマスカウト ディレクター課長)
畑山俊二 (球団本部アマスカウト 統括補佐)
熊野輝光 (球団本部アマスカウト)
山本宣史 (〃)
平塚克洋 (〃)
葛西稔 (〃)
田中秀太 (〃)
吉野誠 (〃)
筒井和也 (〃)

DeNA・即戦力右腕+筒香“後継者”


 スカウト部副部長に新たに河原隆一氏が就任する。河原氏は16年、ドラフト5位で指名した細川成也を発掘。投手も務めていた細川のパワーに着目し、いち早く将来の大砲候補として評価した。東日本スカウトのグループリーダーには昨季スカウト部副部長だった大久保弘司氏が就任。西日本スカウトのグループリーダーはドラフト1位で濱口遥大を推薦した欠端光則氏が留任した。各地区の担当スカウトがグループリーダーに情報を上げ、吉田孝司スカウト部部長兼GM補佐が全体を統括する。吉田GM補佐と行動をともにすることが多い高田繁GMも情報を共有する。2018年は即戦力右腕の獲得の優先度が高い。また、筒香嘉智の後継者となるべき強打者の獲得も目指したい。

■編成&スカウト一覧
吉田孝司 (スカウト部部長兼GM補佐)
河原隆一 (スカウト部副部長)
欠端光則 (西日本スカウトGL)
大久保弘司 (東日本スカウトGL)
武居邦生 (スカウト)
八馬幹典 (〃)
稲嶺茂夫 (〃)
安部建輝 (〃)

巨人・大学生投手に熱視線


 球団史上ワーストの13連敗と下位低迷の責任を取る形で2017年途中に堤辰佳GMが退き、GM特別補佐スカウト担当だったOBの鹿取義隆氏がGM・編成本部長に就任。過去のGMはいずれも読売新聞出身で、球団では初のプロ経験者の鹿取GMには「選手としての経験、専門家の厳しい目」が求められる。侍ジャパンU-15監督を歴任し、アマ球界にも精通しており、現有戦力の整備とともに期待は高い。なお、岡崎郁スカウト部長をトップに東西に統轄を置き、二重三重のチェックを可能にするピラミッド型の組織体制は継続。東日本統轄を務めた福王昭仁氏の代わりに、17年で現役を退いた堂上剛裕が加わった。なお、今秋ドラフトでは早大・小島和哉、東海大・青島凌也の両投手らに熱い視線を送っている。

■編成&スカウト一覧
鹿取義隆 (GM・編成本部長)
三井康浩 (編成本部参与)
榑松伸介 (編成本部・監督担当)
岡崎郁 (スカウト部長)
井上真二 (スカウト部課長・チーフ)
柏田貴史 (スカウト部主任・東日本統括)
武田康 (スカウト部主任・西日本統括)
益田明典 (スカウト部主任・大阪駐在・プロスカウト)
渡辺政仁 (スカウト部主任・大阪駐在)
吉武真太郎 (スカウト部)
木佐貫洋 (〃)
青木高広 (〃)
※堂上剛裕 (〃)

中日・組織改編で逸材発掘を強化


 1月1日付で編成部とスカウト部を統合。FAやトレードのために他球団を視察するプロ部門と、アマチュア部門の垣根を撤廃した。これにより年齢やポジションなどのチーム編成をよりドラフトに反映し、筋の通ったチーム作りを目指す。アマ部門では、2017年限りで現役を引退した八木智哉氏が、関東以北に目を光らせる東日本地区担当に就任し、11人体制に。さらに関東地区担当だった佐藤充氏が、東海、北信越をチェックする中日本地区担当となった。従来から1人増となり、お膝元である中部地区の逸材発掘を強化した。近畿以西の西日本地区担当も3人体制。アマチュア選手の獲得に力を入れ、低迷脱出に向けて根本からチームを変えていく。

■編成&スカウト一覧
松永幸男 (編成部・部長)
中田宗男 (アマスカウトディレクター)
米村明 (西日本地区総括)
山本将道 (スカウト 東日本地区総括)
正津英志 (〃)
中原勇一 (スカウト 中日本地区総括)
小山良男 (スカウト 東日本地区)
※八木智哉 (〃)
佐藤充 (スカウト 中日本地区)
清水昭信 (〃)
音重鎮 (スカウト 西日本地区)
三瀬幸司 (〃)

ヤクルト・高校生重視の育成路線継続


 昨年まで編成のトップだった小川淳司シニアディレクターが監督に就任したため、組織の変更があった。スカウト活動を統括する編成部のトップは部長の伊東昭光氏だ。1988年に18勝を挙げて最多勝を手にした右腕で、現役引退後は二軍監督、編成部などを歴任するなどヤクルト一筋。16年からスカウトに復帰していた。衣笠剛球団社長は年始の訓示でドラフト戦略に言及し「育成は継続しないといけない。最低3人、できれば4人の高校生を取り、強いチーム作りを心がけていきたい」。昨年のドラフトでは1位で清宮幸太郎(早実)を外したが、九州地区の松田慎司スカウトが担当した村上宗隆(九州学院高)を獲得。その路線は踏襲されそうだ。

■編成&スカウト一覧
伊東昭光 (チーム統括本部・編成部・部長)
橿渕聡 (編成部スカウトグループ・デスク)
酒井圭一 (スカウト 北海道・東北・関東)
斉藤宜之 (スカウト 東北・関東)
丸山泰嗣 (スカウト 関東・北信越)
中西親志 (スカウト 東海・北信越)
阿部健太 (スカウト 関西・北陸)
岡林洋一 (スカウト 中国・四国)
松田慎司 (スカウト 九州)
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