戦いの場をアメリカに移しても、目標は変わらない。34歳を迎える2018年。今季からメジャーに挑戦するオールド・ルーキーが記した決意の1文字は“貫”だ。リリーバーとして1試合でも多くマウンドに上がるべく心の中に刻むのは「どこまで自分を信じていけるか」。培った経験と揺るがぬ信念を胸に秘め、平野佳寿は、新たな戦いに挑む。 取材・構成=鶴田成秀、写真=佐藤真一 “黄色いボール”がメジャー挑戦の遠因に
聞けば、メジャーへのあこがれがあったわけではないという。「俺には無理」と海の向こうのプレーを1人のファンとして楽しむ程度で、“滑る”と言われる“メジャー球”にも不安を抱いていた。だが、WBCで手にした黄色いボールが状況を一変させ、心を動かした。 ──2月14日のダイヤモンドバックスのバッテリー組のキャンプインまで1カ月を切りましたが、自主トレもウエート・トレーニングに軽めのキャッチボールと、例年と変わらぬ調整ですね。
平野 いつもどおりです。ただ気持ちは不安な面もあり、そしてワクワクした気持ちも強い、という感じですよ。
──不安とワクワクが交錯している、と。
平野 不安は野球以外、環境面のことですけどね。僕自身ということではなく、家族も一緒に行くので、アメリカに馴染めるかな、と。向こう(アメリカ)は当然、言葉は違うし、食事も日本と同じようできない部分もあると思うんです。でも、プレーの面ではワクワクしています。
──中でも楽しみにしていることは。
平野 純粋に『メジャー・リーグでプレーできるぞ』ということ。もうこれがすべてです。すごい選手たちがいる中で、その打者に向かって勝負ができる。新たなところで野球ができる。それが楽しみで、すごくワクワクしているんですよね。
──というと、もともとメジャー・リーグへのあこがれは強かったのでしょうか。
平野 う~ん、興味がなかったと言ったらウソになりますけど、正直なところ・・・
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