3月25日、オープン戦の全日程が終了。いよいよ30日の開幕に向け、待ったなしとなった。ここではオープン戦の結果から公式戦を占うヒントを探していこう。 採点はA〜Dの4段階評価 ソフトバンク・オープン戦 採点D
2018年オープン戦10位(16試合5勝10敗1分) 得点64、失点66、打率.249、本塁打20、盗塁16、防御率3.83

3月14日から参戦し、9試合で5本塁打9打点と大爆発のデスパイネ/写真=川口洋邦
■収穫! 主砲・デスパと二番・上林 中盤まで湿っていた打撃陣。しかし、デスパイネの復帰とともに息を吹き返した。3月18日の
ヤクルト戦[神宮]では全3打席で本塁打。最終的に12球団2位タイの5本塁打と、2年連続のタイトルに期待がかかる。
二番に入り、元気を取り戻したのは上林だ。不調で一時は開幕後の起用も危ぶまれたが、二番での打率は.333。2犠打、3盗塁と役割を全うし、積極性も見せた。今季の軸ともなりえる新オプションが誕生した。
■誤算…… 先発陣の不調&主力の故障 先発5人に暗雲が立ち込めている。和田が左肩違和感で開幕カードを回避すると、ほかの4人もピリッとせず。東浜が6回5失点に
バンデンハークが4回途中4失点、武田が6回4失点、千賀は右上腕の張りで3回緊急降板と、開幕前最後の一軍登板でそろいもそろって結果を残せなかった。千賀の開幕投手を含め現状、ローテ入れ替えは考えていない
工藤公康監督だが、開幕に向けた修正は急務だ。
また、開幕戦まで約1週間という状況で新・斬り込み隊長の今宮がウイルス性の胃腸炎、2年連続全試合出場の
中村晃が左中臀筋の軽度の筋損傷でオープン戦を欠場。どちらも開幕に備え大事を取ったためだと強調するが、果たして……。
西武・オープン戦 採点B
2018年オープン戦7位(16試合8勝6敗2分) 得点47、失点52、打率.240、本塁打9、盗塁12、防御率3.06

山川自身も四番にこだわりを見せる。打線の中心で本塁打王も目指す/写真=井田新輔
■収穫! 新四番が復調して開幕へ 看板の強力打線の“ど真ん中”を担う四番・山川がベストな状態で開幕を迎えることができそうだ。昨年、最終盤には四番も経験するなど78試合に出場して23本塁打をマークした山川。今年はシーズン通しての四番を期待されていたが、オープン戦では大不振に陥った。3月4日の
広島戦(長崎)から30打席無安打。しかし、バットを振り続けて復調に努め、徐々に調子も右肩上がりに。23日の
DeNA戦(メットライフ)では石田から第2号本塁打。「全打席、内容が良かった」と笑顔を見せた。
オープン戦ラスト2試合でもタイムリーが飛び出し、勝負強さを披露。過去、春先に結果が出ずに二軍落ちを繰り返していたが、今季はその心配はなさそうだ。四番が開幕からバットでチームを引っ張る。
■誤算…… 若手先発の成長に乏しさ 10年ぶりの優勝へ課題の先発投手陣。菊池ら中心投手は順調だったが若手投手の台頭が乏しかった。3年目の多和田は3月24日のDeNA戦(メットライフ)で5回2/3を6失点。オープン戦防御率は10.13と相変わらず不安定だ。
しかし、首脳陣はそのポテンシャルを買って開幕2戦目に先発させる方針。多和田ら若手先発陣の成長がなければ優勝も覚束ないだけに、シーズンでの覚醒に期待したい。
楽天・オープン戦 採点A
2018年オープン戦3位(16試合9勝5敗2分) 得点80、失点69、打率.269、本塁打13、盗塁19、防御率3.90

オープン戦で打ちまくった内田。いよいよ開花を迎えるか/写真=榎本郁也
■収穫! 和製大砲が台頭 春季キャンプで藤田、茂木がケガの影響で二軍調整をしたが、それもネガティブな話題とならなかったのは、若手の台頭があったからだ。代役として抜てきされたのはドラフト6位ルーキーの
西巻賢二。持ち前の守備力に加え、課題とされた打撃でもアピールを続けた。茂木と入れ替わる形で二軍降格となったが、シーズン中に出番が訪れるはずだ。
そして高卒5年目、内田の躍進がホットトピックスとなった。オープン戦では16試合に出場して17安打、4本塁打、12打点と三冠王に近い好成績を残した。チームが待望していた和製大砲の台頭。初の開幕一軍どころか、開幕スタメンも見えてきた。これまではレギュラーは盤石も、控えが手薄とされた
楽天野手陣に、頼もしい若手が加わった。
■誤算…… サブちゃんは大丈夫? 昨季の快進撃を支えたのが福山、高梨、松井らの救援陣だった。だが、オープン戦ではサブちゃんこと福山の出来が今一つ。6試合で6回を投げて自責点5、防御率7.50という結果だった。春季キャンプで二軍調整を続け、実戦に入り一軍に合流したが、本来のキレは見られず。昨季65試合に登板した鉄腕セットアッパーの存在は不可欠なのだが……。
オリックス・オープン戦 採点A
2018年オープン戦5位(14試合7勝5敗2分) 得点54、失点43、打率.230、本塁打13、盗塁22、防御率2.95

宗が俊足巧打を買われて外野にコンバート。一番と中堅の穴が埋まった/写真=佐藤真一
■収穫! 宗の台頭で起用法増 “大収穫”と言っていい。高卒4年目の宗の打力が大きく向上し、リードオフマンに躍り出た。4本塁打と長打力も見せた一方、際どいボールをファウルでカットするなど、出塁率は3割超。さらに50メートル走5秒8の俊足を生かして4盗塁をマーク。4ホーマーのうち1本は快速を飛ばしての“ランニングホームラン”と“俊足巧打+パンチ力”を持つリードオフマンの誕生で強力打線に厚みが増した。
そんな背番号6の飛躍に触発されるように、チーム全体が積極的なスイング&走塁の姿勢を見せ、ルーキー・山足が3盗塁とアピール。二塁での開幕スタメンも十分にある。投手陣も先発ローテ候補たちがそろって安定した投球を見せ、救援陣も盤石。主力の故障者ゼロと順調に調整を進めた。
■誤算…… ほぼなし! 強いて挙げるなら、故障で調整が遅れ、オープン戦わずか2安打のT-岡田の打撃不振だが、宗の中堅固定にメドが立ったため、
ロメロ、吉田正で外野は固まり、一塁も中島、小谷野、
マレーロの起用も可能。だからこそ
福良淳一監督も「勝つためには良い選手を使わないと。昨年、何本(本塁打を)打ったかは関係ない」と言い切れる。主軸の不振も打ち消すほどに宗の台頭は大きく、ポジションに穴が出ることなく開幕を迎える。
日本ハム・オープン戦 採点C
2018年オープン戦5位(15試合7勝5敗3分) 得点66、失点58、打率.248、本塁打25、盗塁9、防御率3.48

相次ぐアクシデントに見舞われた清宮。開幕も二軍スタートが決定した/写真=高原由佳
■収穫! 若手が確かな成長の跡 若手野手の成長ぶりが目立ったオープン戦だった。昨年ブレークした
松本剛を筆頭に、「おにぎり君」の愛称で人気の
横尾俊建は開幕スタメンを勝ち取る勢いで本塁打を量産。さらに左の大砲・
森山恵佑、守備に定評のある
太田賢吾も一軍レベルで戦える姿を示した。
栗山英樹監督も「チーム全体のレベルが上がって(一軍で)勝負できる選手が多くなった」と目を細める。レギュラー争いはシーズンが開幕しても熱気を帯びそうだ。そこに新外国人選手4人も徐々に日本野球にフィットしつつある。新たな風が1年を通してチーム内に吹きそうな予感は漂っている。
■誤算…… 鍵谷と清宮の戦線離脱 痛かったのは新守護神候補だった
鍵谷陽平の故障離脱だ。昨年チーム最多の60試合に登板したブルペンの要になるべき右腕が開幕2週間前に右前腕を負傷。野手に比べて不安が残る投手陣にとってもダメージの大きい出遅れとなってしまった。そして、ドラフト1位ルーキーの
清宮幸太郎も限局性腹膜炎で開幕前の約2週間、入院生活を送った。本来であれば開幕一軍はもちろん、スタメンにも名を連ねる可能性もあっただけに……2度の戦線離脱は指揮官にとっても想定外のアクシデントだった。
ロッテ・オープン戦 採点A
2018年オープン戦2位(14試合8勝4敗2分) 得点62、失点57、打率.279、本塁打3、盗塁19、防御率3.60

復活した石川がエースの涌井とともに先発陣の軸となる/写真=井田新輔
■収穫! 先発二本柱の復活 安定した投球を続けて早々と開幕投手の座を射止めた涌井の存在以上に大きいのが、石川の完全復活だ。生命線のコントロールを取り戻し、3月20日の
西武戦(メットライフ)では6回4安打無失点。3勝11敗に終わった昨季とは別人のような姿を見せ、普段はネガティブな男が「全部良かった」と手応えを口にした。
井口資仁監督も、「非常にいいボール。期待どおりというか、これが普通だと思っている」と絶大な信頼を寄せる。開幕2カード目の初戦を任されることが濃厚で、涌井&石川のWエースが機能すれば昨季のような泥沼に入り込むことはないだろう。
■誤算…… まさかの純国産打線に 大砲候補の
ドミンゲスは日本の投手のタテの変化球にまるで対応できず、長打力不足が最大の懸案である攻撃陣は純国産打線になりそうだ。
裏を返せば藤岡裕、菅野の両新人が即戦力としての力を見せつけ、ドミンゲスを外す選択肢を生み出した結果とも言える。“走塁改革”を掲げる指揮官は故障で調整中の角中が開幕に間に合えば四番に据える方針で、「一番から四番まで走れる」打線の構築を目指している。長打に頼らない攻撃が機能すればドミンゲス不発のダメージも最小限に抑えられる。