開幕前の予想以上に混戦模様のセ・リーグ。昨季5位に沈んだ中日の健闘が、戦況を複雑にしている要因の一つだ。20代の選手が中心となって変革のときを迎えているチームの中から、セットアッパーに抜てきされた速球派新人・鈴木博志に登場してもらった。 取材・構成=吉見淳司 ※成績は4月15日時点 
写真=川口洋邦
剛と柔の投球で巨人打線を手玉に
──開幕から5試合連続無失点と好投を続けています。
鈴木博 オープン戦があまり良くなかったので、それと比べればだいぶ良い内容で投げられていますし、良いピッチングができています。投げる際に体が開かないように、左手の使い方を変えたりして修正したのが良かったのだと思います。
──オープン戦では6試合に登板し、無失点でしたが。
鈴木博 レギュラーの選手は開幕に合わせていますし、オープン戦の結果は関係ないと考えていました。開幕からしっかり抑えられないといけないなと思っていたので、オープン戦の段階では自信も持てなかったですし、ゼロに抑えたからといって特に自分の中では何もなかったですね。
──自分で課題を見つけ、修正できるのはすごいですね。
鈴木博 全然ダメだったので、初登板の
広島戦(4月1日、マツダ広島)まではボールがまったくいかずに「大丈夫かな」と思っていたんですけど、試合前練習のキャッチボールのときにいろいろ試して「これだ」というものをつかみ、それからはしっかり投げられています。
──開幕してからも結果を残していますが、調子のバロメーターがあるのでしょうか。
鈴木博 今までもそうなのですが、極端に調子が悪いということはないので、バロメーターというのはないですね。ブルペンでは調子がいい、悪いはありますが、マウンドに上がればいつもどおりに投げられると思っています。ボールが走ってないときもそれほど深く考えることはなく。社会人(ヤマハ)のときからずっとそういう考え方でしたね。そこで悩んでフォームを変えたりするとますます悪くなる。原因は疲れなどの簡単なことなので、気にせずに投げていました。
──4月4日の
巨人戦(ナゴヤドーム)で本拠地初登板を飾り、18球で三者三振。翌日の同カードではわずか5球で三者凡退と対照的な内容のピッチングでしたが、どちらが理想なのでしょうか。
鈴木博 空振りを取りたいという気持ちはあまりありません。先発なら1試合を27球で、僕の場合は救援なので、1イニングを・・・
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