筋肉ムキムキの高校生が、金属バットで強烈な打球を飛ばし、他校の好投手を一網打尽にしていった。それが池田高の「山びこ打線」。82年夏、83年春と84年夏のベスト8まで圧倒的な力の差を示したチームだった。 
82年夏の決勝で広島商高を破り、初優勝で喜びを爆発させる池田ナイン
圧倒的パワーで連打の山
徳島の山間の町、三好市池田町。筋力トレーニングで鍛えられた池田高の選手たちが金属音を響かせる。強烈な音を奏でると、次打者も同じ音を……。次々と放たれる強烈な安打は、いつしか山間を木霊する「山びこ」になぞらえ「山びこ打線」と言われるようになった。
当時では珍しい筋力トレーニングを取り入れ、練習中、試合中の水分補給は当たり前。「練習試合で相手チームがその光景をみてビックリしていた」と1983年のセンバツ優勝投手で「山びこ打線」の主軸を担った
水野雄仁氏は言う。
筋力トレーニングを取り入れたころ、高校から約5分にあるレストハウス・ウエノが選手たちの朝と夜の食事を安く提供してくれるようになった。300gのステーキなどのメニューに加え、ご飯のおかわりは自由で、食事の面でも筋トレとともに「山びこ打線」パワーの源になっていた。
1982年、第64回大会は、このパワフルな「山びこ打線」が止まるところを知らなかった・・・
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