「最後は日本一になって、うれし涙で終わりたい」。引退表明会見で、そう言って笑った。残念ながら思いはかなわなかったが、新井貴浩は最後まで、いつもどおりの全力プレーを貫いた。 文=坂上俊次 
第6戦9回裏、自分に打席が回ることを信じて準備/写真=山口高明
「家族一丸で頑張ります」
最も幸福な最終決戦が始まった。チームメートの合言葉は「新井さんと日本一」。41歳9カ月のベテランと一日でも長く野球がやりたい。勝利でのエンディングは、カープの34年ぶり日本一を意味する。
ただ、新井貴浩は感傷に浸らない。「プレーの面でも、気持ちの面でも、とにかく攻めていく」。これぞ、新井である。試合前練習から全力でボールを追い、明るい表情で仲間たちとコミュニケーションをとる。
リーグ3連覇を果たし、カープは再び日本一に挑む。新井は紛れもなく、その原動力である。しかし、彼は・・・
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