1回から9回まで、全イニングで150キロ超のストレートを投げ込む。常にアクセル全開の本格派右腕は、見ている者の心を熱くしてくれる。2年生の段階で昨年のドラフト候補に入れても「1位間違いなし」と言われた逸材。高校生BIG4の中で唯一、甲子園の土を踏んでいないが、実力、将来性ともトップクラスだ。 取材・文=岡本朋祐 写真=桜井ひとし 
自己最速は昨秋の県大会で計測した157キロ。一冬を越えスタミナアップに成功すれば、今春にも花巻東高・大谷翔平[現エンゼルス]が3年夏にマークした160キロも夢ではない
2019年の目玉、157キロ右腕は謎に包まれている。年末年始にかけて、ドラフト候補がメディアの注目を浴びるのは毎年の流れ。年明けのタイミングからはスカウト戦線も本格化し、対象選手も勝負の年に向けた決意を述べる慣例がある。しかしながら、
佐々木朗希の周辺は、一般的な対応とは大きく異なる。大船渡高の事情により原則、すべての取材がNG。
テレビ、通信、新聞、雑誌と各社からの申請が殺到した17年の超目玉であった早実・
清宮幸太郎(現
日本ハム)を例に取ってみる。16年12月の千葉・鴨川合宿の最終日に共同取材日が設定され、グラウンドでの各社一斉による囲み取材に応じてくれた。年始の練習始動日の取材はNGだったが、早実グラウンドに新年のあいさつに訪れたNPBスカウトへの取材のみは、現場に迷惑をかけないという条件で許された背景がある。
つまり、清宮本人や野球部関係者が一切、口を開かないとしても、周辺の声さえ聞ければ、最新情報を踏まえた原稿を作成することができた。一方で、佐々木の場合は・・・
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