オリックス入団は同じ1992年で、天才打者が海を渡る2000年までともにプレー。そんな田口壮が見る天才打者は──。天才と呼ばれるワケは、人と異なる発想と感覚、さらには洞察力にあるという。 
同期入団の田口[右]とイチロー[左]。技術の話を交わしたことは少ないというが、間近でその“すごみ”を体感してきた
バッティングって何なんだろうね――。ふと彼に問いかけたのは、彼も僕もまだ若かったオリックス入団間もないころ。返ってきた答えは「7割は失敗なんですから、そんなに考えることはないんじゃないですか」だったんです。
僕はいかにヒットを打つかということばかりを考えていた。3割のほうが頭にあったんです。それどころか全打席でヒットを打とうと、10割を目指していました。でも、彼は失敗に目を向けていたんですよね。失敗の率を減らせば、自ずと成功の率は上がる。僕とは発想が真逆でした。
発想は真逆でも目的は同じ。だから準備は怠らない。練習は誰よりも早くグラウンドに姿を現していたし、今も体のケアを欠かしていませんでした。今年46歳を迎えますが、現役で新シーズンを迎えようとしているのは、その賜物でしょう。
それどころか・・・
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