
国際大会対策研修合宿の紅白戦[ケース打撃]でも、トップレベルを相手に、キレのあるボールを披露/写真=石井愛子
試合前に必ず行う独特のルーティン
表情にまだあどけなさが残る18歳。しかし
奥川恭伸のピッチングと思考は、大人びていて深い。履正社高とのセンバツ1回戦前、星稜高のエースは大きな重圧を抱えていた。
「履正社に決まったときからずっと緊張していた。相手が強過ぎて、初回5失点ぐらい覚悟していました」
チームメートにも、登板直前まで「ヤバイ、ヤバイ」と漏らしていた。
しかしその不安は、半分は本物で、半分は計算だ。
「自分は小さいころからすぐに調子に乗って打たれるタイプだったので。試合前というのは、相手を尊敬して、謙虚になるというのが1つのルーティンみたいなもの」と明かす。
いざマウンドに上がれば、「アドレナリンが出た。いい緊張感でした」と振り返ったように、圧巻の投球を披露した。立ち上がりは直球を続け、4球目に自己最速を1キロ更新する151キロを計測。そのストレートで追い込み、最後はスライダーやフォークなどキレのある変化球で仕留める展開で17個の三振を奪い、散発3安打完封勝利を収めた。
その球質と投球術にNPBスカウト陣もうなった。
日本ハム・大渕隆スカウト部長は「投げることの・・・
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