
国際大会対策研修合宿では木製バットを使用。金属バットと変わらない鋭いスイングを見せている/写真=石井愛子
最後の最後に話題を奪い取る活躍
平成最後のセンバツで、平成元年以来の優勝を遂げた東邦高。投打にわたってけん引したのが、主砲でエースの主将・
石川昂弥だった。習志野高との決勝で記録した1試合2本塁打と、1大会3本塁打は
松井秀喜(元
巨人、
ヤンキースほか)、
清原和博(元
西武ほか)らに並ぶ最多タイ記録。それまで星稜高・奥川が「大会No.1」として独占していた感のあった甲子園の話題を、最後の最後に奪い取るような活躍だった。
まさに「本領発揮」という表現がピタリと当てはまるだろう。大会屈指のスラッガーとして臨んだセンバツだったが、戦前の注目度は「高校生BIG4」の一角である奥川や横浜高・
及川雅貴には及ばなかった。実際、自慢のバットは広陵高との2回戦で甲子園初本塁打を放ったものの、筑陽学園高との準々決勝、明石商高との準決勝は無安打。準決勝まで打率.188ともがいていた。どちらかと言えば、全試合に先発し、2点以下に抑えていた「投手・石川」のほうが目立っていたほどだった。
「打撃の調子は決して良くなかった。ずっと、いろいろ変えながら、模索していた」。その石川のバットが、ついに火を噴いたのが、試行錯誤で迎えた決勝。1回にバックスクリーン右に飛び込む先制2点本塁打を放つと、5回にも右中間に追加点の2ラン。平成最後の甲子園本塁打となった高校通算44、45号は、石川らしい中堅から逆方向への特大弾だった。悩めるスラッガーが・・・
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