カーブという球種の特徴や使い方、今後の可能性を、評論家はどう見ているのだろうか。現役時代に「スラーブ」ほか、七色の変化球を駆使した大野豊氏(元広島)に聞いてみた。 取材・構成=藤本泰祐 写真=BBM 
現役時代の大野氏は、カーブとスライダーの中間にあたる「スラーブ」を駆使した
カーブの持つ緩急差を生かさない手はない
カーブの特徴は、一般的な球種の中では最もスピードの遅いボールだということですね。チェンジアップより遅くも投げられる。投球の中心となるべき真っすぐと、それだけ緩急差が作れるわけですから、それを使わない手はありません。また、現在主流となっている、スライダー、カットボール、
シュートやツーシームなどよりも一段遅いですから、使えれば、打者のタイミングをずらしていくうえで、ピッチングの幅がぐっと広がることになります。
そのほかに、かつてドロップと言われたようなタテのカーブは、軌道の上下幅が最も大きい球種でもあります。打者の目線、アゴを上げたり下げたりさせて、打者を崩すのにも有効です。カウント球にも、打たせにいくのにも使える変化球だと思います。
私たちの時代は、真っすぐの次にまず教わる変化球がカーブ、その次がシュート、という時代でしたから、私もプロ入り当初はドロップのようなカーブを投げていました。ただ、やがて手首を痛めてそれがうまく投げられなくなってしまい、江夏(
江夏豊)さんに・・・
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