昨年夏の甲子園を沸かせた「高校BIG4」の1人、日本ハム・吉田輝星が待望の一軍先発デビューを飾った。18歳らしからぬ堂々たるピッチングで、セ・リーグ4連覇を狙う広島相手にプロ初登板初勝利をマーク。衝撃のデビューを果たした右腕の可能性に迫ってみたい。 写真=榎本郁也、BBM 
プロ初勝利のウイニングボールを手に栗山英樹監督と記念撮影する吉田輝星。チームの次代を担うスターがデビュー戦でまばゆい輝きを放った
魅惑のストレート
日本ハムのドラフト1位ルーキー・吉田輝星が6月12日の広島との交流戦(札幌ドーム)で一軍デビューとなる先発登板。5回4安打1失点の好投でプロ野球史上19人目(1966年のドラフト制導入以降)の高卒新人による初登板初勝利をマークした。球団では2010年の
中村勝以来となる快挙となった。
「率直にうれしいです。自分は緊張しないと思っていたんですが、いざ一軍のマウンドに上がってみると全然違うなと感じましたし、1、2回は特に難しかった。でも最少失点で終えられて楽しんで投げられました」と試合後は安堵の表情を見せた。
初回、先頭打者の
長野久義に右前打を浴びると、二番の
菊池涼介には10球粘られて四球。四番の
鈴木誠也にも直球で攻めるも四球を許すなど一死満塁のピンチを背負った。だが、五番・
西川龍馬を3球三振に切ると、続く
磯村嘉孝にはこの日最速の147キロをマークするなどストレート、カーブ、スライダーで追い込み、最後はカーブで三ゴロに打ち取った。初回だけで球数は31球。1点を先制してもらった直後の2回には二死から
田中広輔にカーブを右前に運ばれ、続く長野には同点の左中間適時二塁打を浴びるなど1、2回で53球を要した。
「あの1、2回を見て5回までもつって思ったヤツはいないだろう」と日本ハムの
高橋憲幸投手コーチが振り返るように立ち上がりはとても快挙を想像させるものではなかった。記念すべきマウンドに立った新人右腕は2ストライクに追い込んでもファウルで粘られ、1つのアウトを取るのに苦戦を続けた。「正直オレも『こりゃあ無理だ』って・・・
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