社会人選手の最高の晴れ舞台である、第90回都市対抗野球大会が7月13日に東京ドームで開幕。各地区の代表で地域、会社のためにプレーするが、ドラフト候補選手にとっては、アピールの場でもある。来季から「即戦力」の呼び声が高い、4投手の最終調整に密着した。 取材・文=中里浩章 写真=山口高明 
自チームを都市対抗へ導くことはできなかったが、東海理化の看板を胸に、補強選手[トヨタ自動車]として都市対抗本番に挑む構えでいる
取材に同行したカメラマンが、キャッチボールをする
立野和明を遠目に見ながらポツリとつぶやいた。
「プロフィル(181センチ81キロ)よりもすごく大きく見えるなぁ」
野球選手としてはややスラリとした部類。だがダイナミックなフォーム、鋭い腕の振り、そしてリリースでの爆発的な発射速度が体格以上にスケールの大きさを感じさせる。
今や最速152キロを誇る“ドラ1候補”だが、中部大第一高時代の最速は142キロだった。当時は178センチ71キロとさらに細身で、「常に全力で目いっぱい投げていた」。ゆえに体への負担も大きく、3年夏には腰痛を抱えながら痛み止め注射を打って試合に臨んだという。将来のプロ入りも見据えながら、「家計に負担をかけたくない」との理由で進路希望は社会人1本。「最初に声をかけていただいたチームに即決」で東海理化に入社し、素質をしっかり磨いてきた。
体重については「実はたくさん食べようという意識もなく、勝手に増えていった」と苦笑する。ただ2年目の昨春まで・・・
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