先発ローテーションばかりか、リリーフの陣容も不確かだった序盤からブルペンを支え、原辰徳監督いわく「もっとも力が必要な場面」での出番に結果で応えてきた。4年目左腕の存在がなかったら……と考えるとぞっとする。一時のコンディション不良からも脱し、泣いても笑ってもラスト1カ月、フル回転での貢献を誓い、悲願のV奪回へ今日も左腕を振る。 取材・構成=坂本匠 写真=桜井ひとし、BBM 厚い信頼と大きな期待
8月22日、待望の左腕が戻ってきた。登録抹消こそ回避したものの、コンディション不良で8月9日の登板以降、マウンドに立つことのなかった中川皓太が、22日の中日戦(ナゴヤドーム)で復帰。三者三振と完璧なパフォーマンスで周囲を安堵させた。すでに50試合登板で、リリーフ陣の大きな柱に成長を遂げた左腕の復帰で、ブルペンはより盤石なものとなる。 ──8月9日の今季50試合目の登板の後、コンディション不良でベンチ外(5試合)、ベンチ入りしても登板がない日が続きましたが、久々のマウンドの感触はどうでしたか。
中川 間隔が空いたので、ちょっと緊張しました。状態的にはもう問題ないところまできていたのですが、ボールの強さはもうちょっといけるかなと思いました。
──結果的に抹消するのと変わらないだけの登板間隔(中12日)が空いてしまいましたが、原辰徳監督が一軍に残す決定を下したのは、「何かあればマウンドへ」という信頼の裏返しと、終盤戦に向けて「緊張感を維持させたい」というベンチの判断だったそうです。
中川 今回、コンディションが思わしくない中、このような対応をとっていただいていたので、僕も何とか早く戻りたいという気持ちでいました。ただ、なかなか状態が上がらず、結果的に10日(※登録抹消となった場合、再登録までにかかる日数)以上かかってしまったんですが、待っていてもらったということに関して、期待と言いますか、必要としてくれていることを感じましたので、戻ったときに、今まで以上にチームに貢献できるように頑張りたいなと思っていました。
──この間、チームは10試合を戦って9勝1敗と好調で、一気に2位以下を突き放しました。ブルペンから、あるいは外から、どんな思いで見ていたのですか。
中川 最高の結果じゃないですか? 僕が投げて勝てばそれに越したことはないですけど、迷惑を掛けている中で負けていない。僕が抜けて急にガタガタとなってしまったら、心の中は穏やかではないというか、より責任を感じたと思うんですが、すごい勢いで勝っているので「強いな」と思って見ていました。ただ・・・
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