5年ぶりの優勝を決めた原巨人。独走の時期あり、連敗の低迷期ありの波乱万丈のシーズンだったが、抜け出せたポイントはどこにあったのか。ここでは連載コラムの筆者でもある巨人OB解説者、川口和久氏の視点で分析してもらった。 どんな展開でも黙々と投げ続けた高木
大きかった丸の存在
最後は少しもたついたが、9月20日の
DeNA戦(横浜)で9対4と勝利し、その勢いのまま翌日優勝を決めた。20日の試合では、初回にホームランを打った
坂本勇人に7回は犠打を命じたが、「6回までは任せるが、7回以降はベンチで戦う」といつも言っていた
原辰徳監督らしい作戦だ。
今季の巨人の強さの最大の要因は、誰もが感じているように復帰した原監督にある。私がコーチで一緒にやった2期目もそうだったが(川口氏は2011年から14年)、厳しくも自由自在の采配。
阿部慎之助を捕手以外では使わない、
澤村拓一を先発以外では使わないなどの言葉をあっさり撤回することもあったが、逆に考えれば「勝利」を自分のプライドより優先させたということだ。あらためて、この指揮官の凄(すご)みを感じた。
野手は、“主力の固定”と“若手の自在な起用”を同時に進めた。昨年、巨人の規定打席到達は坂本勇人、
岡本和真、
亀井善行と退団した
マギーだけ。課題と言われた一、二番は、当初、若手の
吉川尚輝が一番で二番には、はやりの(?)「二番強打者論」から、
広島から移籍の
丸佳浩、坂本を置いて試していたが、吉川が故障離脱となった後、亀井が一番ではまり、亀井、坂本、丸の「カメサカマル」で一、二、三番が固まった。四番・岡本には不振の時期もあったが、この3人が安定していたので、必要以上に重圧がかかることがなかったことが、夏場の復調につながった。
特に・・・
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