石川雄洋、筒香嘉智に次いで新キャプテンに就任。転換点を迎えたベイスターズの中心となるキーマンだ。若く、勢いのあるチームをどんな思いで束ねていくのか。 取材・構成=滝川和臣 写真=菅原淳(インタビュー)、BBM 
ドラフト9位と下位指名ながら、自慢の打撃でプロの世界で道を切り拓いてきた。今季から左胸にキャプテンマークを付ける
驚きの主将指名。明るいチームを目指す
沖縄・宜野湾キャンプの初日、外野を行く全体ランニングの先頭には、背番号「44」の姿があった。今季からキャプテンに指名された25歳、佐野恵太だ。ラミレス監督から食事に誘われたのが昨年末。その席で「持ち前の明るいキャラクターでチームを引っ張っていってほしい」と大役を託された。その日から、佐野を取り巻く環境は一変。頭の中は、大半がチームのことで占めるようになった。指揮官からの期待を意気に感じ、新リーダーが新生ベイスターズを力強くけん引している。 ──キャプテンとして迎えた春季キャンプ、オープン戦を経てシーズン開幕を待っています。ここまで、あっという間でしたか。
佐野 いや、長かったですね。僕はプロ4年目ですけど、過去3年間は自分の成績、結果を最優先に野球をやっていればよかった。そこにキャプテンとしてチームのことを考える時間が加わりました。キャプテン1年目ということもあるのでしょうけど、長く感じましたね。
──両方を追い掛けるのは大変です。
佐野 まだ開幕してませんからね。本当に大変なのはシーズンが開幕して、勝敗が出始めてからだと思います。
──1年前とは取り巻く状況がガラリと変わりました。
佐野 その中で充実感もあり、ラミレス監督からキャプテンに任命していただいて、四番に入らせてもらっています。期待に応えたいという気持ちが一番強いですね。
──昨年末、キャプテンに抜てきされたときどんな気持ちでしたか。
佐野 びっくりしました。1年前の同じ時期に自分がまさかキャプテンを務めるとは思ってもみなかったですし、想像すらしていませんでしたから。でも、光栄なことだと思って頑張りたいなと。
──
DeNAをどんなチームにしていきたいと考えていますか。
佐野 僕が入団したときからずっと筒香さんがチームを束ねられていて、みんなが前を向いた、明るい雰囲気をつくり上げていました。僕もベイスターズの雰囲気というものを3年間で、身近で見て感じていました。そこは引き継いでやっていきたいと思っています。そのうえで、自分のカラーを出していきたい。筒香さんのやり方全部をマネする必要はないと思います。自分なりに精いっぱい頑張りたいです。
──筒香選手から何かアドバイスはありましたか。
佐野 電話で「キャプテンになりました」と報告しました。「大変だとは思うけど、お前らしく頑張れよ」と言っていただきました。
──過去にキャプテンを務めたことは?
佐野 小学生以来ですね。まあ、小学生のときはキャプテンといっても、チームメートを整列させてあいさつするくらいなので。中高大では僕がリーダーを務める雰囲気は全然なかったです。大学(明大)ではエースの柳(
柳裕也、現
中日)がキャプテンを務め、プロでは筒香さんがいた。強いリーダーシップを備える人間を近くで見てきて、やはりキャプテンという存在は・・・
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