支配下登録された昨季、足を武器に、一気にスターダムを駆け上がった。しかし、レギュラーをつかむには、イメージの脱却も必要だ。打っても、守っても、チームのために──。鷹のスピードスターが、新たな魅力を開拓していく。 取材・構成=菅原梨恵 写真=石井愛子、湯浅芳昭 
3月15日の広島とのオープン戦[マツダ広島]、6回に鋭い打球をセンターに飛ばすと、相手外野陣がボールの処理をもたつく間、快足を飛ばしてホームを陥れた
塁に出ることを一番に考えて
支配下1年目からチームトップの25盗塁、昨秋の『WBSC プレミア12』でも世界を相手に大会トップの4盗塁を決めるなど、周東佑京の俊足は球界でも群を抜く。一方、1割台の打率(.196)と不安視される守備の面で、レギュラー自体は遠いままだ。はっきりとしている課題に、真正面から向き合う日々。これを乗り越えなければ一軍での確固たる居場所が見えてこないことは、周東自身、よく分かっている。 ──昨季から課題に挙げていた打撃と守備ですが、まずは打撃について。具体的にどのようなところを意識して、ここまで取り組んできましたか。
周東 下半身の使い方ですかね、一番は。昨年もいろいろと考えながらやってはいたのですが、うまくいかなくて。オフになって、イチから作り直してきました。特別、下半身を鍛えて、とかではないです。(バットを)振る中で、どう動かしていくか、どうやったら力を伝えられるか、を意識してきました。
──春季キャンプのときには、ある程度、自分の方向性は固まりつつあると言っていました。
周東 キャンプから引き続き、やっていることは一緒です。悪くはなっていないと思っています。あまり結果は伴っていないですけど、むしろ自分の中ではいい方向には行っているのかなと。
──具体的な変化は?
周東 しっかりと振れるようになりました。昨年に比べたら、強い打球がいくようになりましたし、打球が飛ぶようになったなという実感もあります。
──見ていても、スイングに力強さを感じます。
周東 ありがとうございます。客観的な見え方は分からないので、そう言っていただけるのはうれしいですね。
──打席に向かうときの気持ちにも変化はありますか。
周東 結果を求め過ぎるということがなくなったかなと思います。もちろん、打ちたい気持ちはありますが、絶対に打ってやるという気持ちよりも・・・
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