虎のレジェンドは今季の阪神をどう見ているのだろう。昨季までチームに在籍し、その内情をよく知っているからこそ、優勝するためには何が必要かが分かる。今季、不屈の猛虎魂を呼び起こすのは誰だ。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 
ボーアは「バース、掛布、岡田」の三役を担わないといけない重責がある。跳ねのけられれば優勝が見えてくる
【打撃編】ボーアの後にボーアなし
ズバリ、今年の阪神の優勝のカギを握るのは“新助っ人のボーア”ですね。彼が四番としてしっかりと役割を果たせるかどうか、開幕してから1カ月でどういう結果を出すかですよ。練習での打撃練習はいい形で打っているのですが、オープン戦などの実戦になるとどうしても詰まってしまう。現状の形は悪いですね。
そもそも今の阪神には打線の柱がいないんです。その柱をボーアに任せるしかない。日本一になった1985年のときの助っ人は、バースですが、彼はもともと打線の柱として期待された打者ではなかった。当時は、自分で言うのもなんですが、四番には「
掛布雅之」という柱がいた。そしてもう一人、岡田(
岡田彰布)というスラッガーがいたわけです。その中でバースが台頭し、85年のクリーンアップが形成されました。
ファンの皆さんはバース同様の期待をボーアにしていますが、それは少し違います。つまり、彼は85年でいうところの「バース、掛布、岡田」の三役を担わないといけないのです。その意味でも、今年の打線のカギを握る男と言っても過言ではありません。ボーアがこの開幕延期期間をうまく利用しつつ、開幕スタートをいい形で切れたら、阪神が一気に走る可能性は十分にあります。
もう一つ、矢野(
矢野燿大)監督の構想でもある「二番・近本(
近本光司)」もボーアとうまく連動したいところ。初回から先頭打者が出塁すれば、好打の近本でビッグイニングを作れる可能性がある。一方、ダブルプレーが少ない足の速い打者なので、仮に近本が一塁に残った場合、盗塁で得点圏に進み、四番のボーアで1点を先制することができれば、先発陣にとっては大きな1点となります。しかし・・・
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