新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になったプロ野球の開幕が6月19日に決定。しかし、当面は無観客など、まだ“日常”に戻るのは先だ。イレギュラーの展開となった2020年プロ野球、新様式は果たして――。コラムニストのえのきどいちろう氏とベースボールライターの石田雄太氏が大いに語り合った。 取材・構成=佐藤正行、小林光男 写真=BBM 
無観客で始まった練習試合、巨人対西武[東京ドーム]。カメラマンも“ディスタンス”を保っている
責任を全うするために12球団横並びに
えのきど 開幕が6月19日に決まりましたが6月3日に巨人の
坂本勇人、
大城卓三の両選手が新型コロナの陽性反応。衝撃が走りましたね。
石田 ゼロリスクを求めずにソフトランディングで開幕する以上、これは起こり得る話でした。選手や審判、球場の職員の安全を担保しながらシーズンを進めるのは想像以上に大変だと思います。
えのきど プロ野球は開幕するのに、夏の甲子園は中止。それはどうなんだ、という見方もありますよね。
石田 週ベのコラム連載でも書きましたが、できない理由を探したのが高校野球、できる理由を探したのがプロ野球です。だから高校野球はできる理由を明確に否定して、やれると思っている人を納得させる必要があったし、プロ野球はできない理由を一つひとつ潰して説明する義務がある。
えのきど 確かにそうです。
石田 プロ野球が始まるぞということで世の中が明るくなったんでしょうが、万が一、練習試合が始まった直後の巨人の2人のように新型コロナ感染者が今度はシーズンが始まった後に出たらどうするのか。これからもプロ野球はさまざまなことが起こり得るということをイメージしないといけないし、内部にいる人は開幕するということを絶対に明るく受け止めるだけではいけないと思います。
えのきど 僕がチームスタッフを務めるアイスホッケーの日光アイスバックスからこの間、感染者が出た。札幌に帰省中だったのでチーム内に広まる恐れもなく、さらに割と軽症で済んだのでひと安心でしたが当初は青ざめた。僕は感染した芸能人が謝罪をしなくていいと思っていたけど、当事者になると「世間をお騒がせして」という気持ちになってしまう。ただ・・・
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