本誌の巻頭を飾るのは、12球団最年少の四番打者だ。周囲からの期待も喧騒も意に介さない大砲は、20歳の若者とは思えない風格を漂わせている。スワローズの未来を担う男の「四番論」とは――。 取材・構成=依田真衣子、写真=佐藤雄彦、BBM 
7月2日の広島戦[神宮]、9回にサヨナラ満塁弾。開幕戦では延長10回に満塁で三振を喫していたが、最高の形で悔しさを晴らした
四番のデキがチームの勝敗に直結する
昨季はチームで唯一全試合に出場し、36本塁打、96打点。これはプロ野球の10代最多記録である。ほかにも数々の最年少記録を打ち立て、新人王に輝いた。大ブレークの2年目を経て、今季は四番という大役を担う。高津臣吾監督も「四番を打たないといけない選手」と期待を寄せており、チームを背負っていく覚悟も芽生えつつある。スワローズの顔として、自らのバットでチームを勝利へ導くことだけを考えている。 ──今週号は四番特集です。今季、スワローズの四番を務める村上選手は、「四番打者」にどのようなイメージを持っていますか。
村上 これは僕が今までに何度も言ってきていることなのですが、チームの勝ちに直結するポジションだと思っています。なので、そのチームの四番というのは、「勝敗を左右する打者」というイメージですね。
──それは、チームで一番打てるバッターということですか。
村上 いや、決してそういうわけじゃないと思います。でも、四番の中では負けたくないというか、他球団の四番に負けないように頑張りたいという気持ちは持っていますね。
──特に負けたくないと思っている四番打者はいますか。
村上 もう、ほかの球団の四番は本当にすごい選手たちばかりなので。僕が誰かにというよりは、チームとして負けないぞという思いです。
──では、優勝することで、ほかの四番にも勝ったことになる、と。
村上 そうですね。
──今シーズン、ここまではいかがでしたか。開幕から全試合に四番として出場しています。
村上 タイムリーが出た試合もありましたが、逆に僕が打てなくて負けた試合もありました。四番の大事さというか、四番打者というのはチームの勝利に直結する打順なのだと、あらためて重みを感じています。
──打てなくて負けた試合で、心に残っているものはありますか。
村上 やっぱり
中日との開幕戦(6月19日、神宮)ですね。2点ビハインドの延長10回二死満塁の場面で回ってきたのに、三振してしまったので。あの試合こそ、僕が打たなければいけなかった。ああいうシチュエーションで打って、勝ちに導けるようなバッターになりたいと思った試合です。
──四番で開幕戦、さらにサヨナラのチャンス。プレッシャーを感じて力んでしまったのでしょうか。
村上 いや、プレッシャーは感じていないですね。
──緊迫した場面でも、リ
ラックスして打席に入れている、と。
村上 う~ん……。いつもどおりです。昨年と変わらない気持ちで打席に入れていると思います。
──五番や六番に入ることが多かった昨年と、同じ感覚ということでしょうか。
村上 そうですね。五番でも六番でも、チャンスで打席が回ってくることはありますから。そういうときはやはり打って走者をかえしたいと思いますし、もちろんチャンスじゃない場面もあれば、先頭で回ってくることだってあります。四番でも・・・
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