昨夏の甲子園で悲願の全国制覇、令和初代チャンピオンとなった履正社が“最強”の新たなモデルケースを提示した/写真=石井愛子
かつて、大阪府富田林市内のPL学園の敷地内にあった野球部の研志寮。下級生は毎朝、目覚まし時計を設定せず、秒針の音で布団から出ていたという。体が自然に反応するほど、極限の緊張感に包まれていたのだ。つまり、アラームで同部屋の上級生を起こすことなど、あってはならない失態。その日、その日を生きていくのに、必死だった。同校OBの誰もが振り返る、回顧談である。
寮生活でたたき込まれたのが「目配り、気配り、心配り」。こうした日常が野球における集中力につながったと言われる。1980年代、春3度、夏3度の甲子園制覇を誇るPL学園は「最強」の名を欲しいままにしてきた。しかも、夏は83、85、87年と隔年で頂点に立つという圧倒的な強さぶり。
桑田真澄(元
巨人ほか)、
清原和博(元
西武ほか)の「KK世代」に、2学年後輩で87年に春夏連覇を遂げたチームは「立浪世代」。主将・
立浪和義(元
中日)、
片岡篤史(元
日本ハムほか)の野手に、
橋本清(元巨人ほか)&
野村弘樹(元横浜)の両投手がプロ入り。1学年後輩には
宮本慎也(元
ヤクルト)と多彩な顔ぶれを・・・
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