
山口高志のフォーム。よく突き指したという
1990年、近鉄に入団した
野茂英雄と、当時、黄金時代にあった
西武打線の対決は伝説となっている。トルネードからの剛速球と落差の大きいフォークを武器に、1年目から18勝8敗を挙げ、投手タイトルを総ナメにした男だが、西武はそのクセを
笘篠誠治が見抜き、すぐさまチーム内で徹底した。
ただ、もちろん場面にはよるが、三番・
秋山幸二、四番・
清原和博、五番・デスラーデは、あくまで真っすぐを狙ってフルスイングし、フォークで空振りしても胸を張っていた。野茂も、特に清原相手には愚直なまでに真っすぐ勝負にこだわり、いつしか「平成の名勝負」とも言われ、勝敗を超えてファンを魅了していく。
西武というチームは選手の勝手を許すほど甘くない。データを頭にたたき込んだほかの打者が揺さぶったうえで、この3人が、野茂が自信を持って投げる真っすぐを打ち返し、心をも打ち砕くためだったのだろう。
フォークが真っすぐと思わせる軌道から落ちることで、相手を打ち取る魔球だとすれば・・・
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