2007年から10年まで巨人ヘッドコーチを務めた伊原春樹氏。原辰徳監督と二人三脚でチームを3連覇に導いた。2期目の懐刀が語る原監督の飛び抜けた能力とは――。 取材・構成=小林光男 写真=BBM 
ヘッドコーチ就任1年目の2007年から3連覇を果たした
大胆な選手起用
原辰徳監督から誘いを受け、私が巨人ヘッドコーチとなったのは2007年のことだ。06年、3年ぶりに巨人に復帰した原監督だったが、同年は4位と不本意な結果に終わっていた。「伊原さん、僕はあちこち痛い痛いと言うような選手はもういらない。強い選手をつくっていきたいんです。手伝っていただけないでしょうか」とアプローチされたが、私は2つ返事で即答。以来4年間、原監督の下でヘッドコーチを務めたが、1年目からリーグ3連覇を果たすなど、充実した日々を過ごすことができた。
原監督で一番印象に残るのは大胆に選手を起用したことだ。例えば07年、オープン戦から一、二番に誰を起用するか原監督自身が悩んでいた。前年は
鈴木尚広や
脇谷亮太にチャンスを与えていたが、まだ力不足。なかなか構想が固まらない中で、私は開幕直前に原監督から相談を受けた。「谷(
谷佳知)は右打ち、バントをできますか?」。前年まで
オリックスに在籍していた谷は主にクリーンアップを打ち、犠打とは縁遠い打者だった。しかし04年、私はオリックス監督として谷の器用さを十分に分かっていたので、「上手ではないですが、しっかりとできますよ」と答えた。「それじゃあ、二番は谷でいきましょう」と返してきた原監督に「一番はどう考えていますか」と尋ねると「思い切って(
高橋由伸)由伸でいこうと考えていますが、どうですか」。由伸は当時、ケガで欠場することが多かったが、07年はキャンプから体調も良かった。三番に
日本ハムからFA移籍してきた
小笠原道大。一番に由伸が座れば相手からすると大きな脅威となる。
果たして・・・
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