高校通算50本塁打の井上朋也がプロの世界で背負う期待の大きさは、その評価によく表れている。今ドラフトでは高校生内野手で唯一の1位指名。ソフトバンクが高校生内野手を1位指名したのは2009年の今宮健太以来だ。過去5年連続でプロに選手を送り出してきた花咲徳栄高にとって、1位での指名は初の快挙だった。

「今日初めて井上君の背中が大きく見えました」。岩井隆監督にそうエールを送られた井上は、理想の選手像をこう語った。

「内川(内川聖一)選手のように打率もホームランも残せて、毎年コンスタントに3割30本を残せるようになること。そして息の長い選手になることが目標です」

　井上がドラ1という高い評価を受けるまでに成長した要因は、この1年間の努力にある。岩井監督によると「打つことばかり考えている」部分があり、ボールに触る機会を増やすため外野手から三塁手に転向。チーム全体を引っ張る意識を持たせるべく昨年12月から主将に就任した。そして同月末・・・