
地元・日本ハムからの1位指名に、笑顔がこぼれる
遠回りではなかった空白の1年
ドラフト開始1時間前、会見場の苫小牧駒大の大講堂にすでに
伊藤大海の姿があった。学長、野球部の関係者、チームメート、事務局のスタッフたちと時折笑顔を交えながら運命が決まる瞬間までの時間をどこか楽しむかのように、北の剛腕はいつもどおりの自然体でそのときを迎えようとしていた。
決して遠回りではない道だったと言い切れる。駒大苫小牧高2年春に甲子園のマウンドに上がり、卒業後は系列校である東都大学リーグの名門・駒大に進学。1年春からリーグ戦(二部)にデビューと順風満帆に見えた野球人生。だが、伊藤の中では手応えを感じることはなく、むしろ「このままで4年後に自分はプロに行けるのだろうか」と未来の自分を想像できずに自問自答する日々が続いた。迎えた2016年10月、悩んだ末に新たな道に進むために駒大の中退を決意する。
翌年4月から生まれ育った地元・北海道の苫小牧駒大に再入学。大学野球の規定により1年間は公式戦に出場ができない。プロを目指す上ではアピールの場がなくなるだけに難しい決断だったが、伊藤ははっきりと未来の自分を描いていた。その1年を使ってランニング、フォームの確認、体幹トレーニング、ウエートのやり方を一から見直して・・・
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