開幕前は、この状況を「想像もできなかった」という。7月14日に楽天から巨人へのトレードが決定。すぐにブルペンに欠かせない存在となると、優勝決定時点ではチーム2位の41試合に登板し、防御率は1.57。驚異的なパフォーマンスを見せた。 取材・構成=坂本 匠 写真=榎本郁也、川口洋邦[インタビュー] 
優勝を決めた10月30日のヤクルト戦[東京ドーム]でも8回に3番手で登板。四番の村上宗隆からは内角をえぐる145キロのストレートで空振り三振を奪った
人生何があるか分からない
「充実したシーズンだった」と振り返る。開幕から1カ月後に楽天から巨人へトレード加入。すぐにブルペンで力を発揮したその要因には、楽天時代から継続して取り組んでいた“ストレートの質の向上”があった。 ◎
──優勝おめでとうございます。
高梨 ありがとうございます。リーグの首位を走って優勝に向かう、という経験はプロに入って初めて。ビジターのときは意識することはなかったんですが、東京ドームに戻ってきて登板して、試合後に整列してファンの皆さんにあいさつしたときに、オーロラビジョンにマジックがいくつと出るのを見て、「ああ近づいてきているんだな」と感じていました。
──開幕前はこの状況はなかなか想像できなかったと思います。今シーズンを振り返って、率直に思うことはどんなことですか。
高梨 人生何があるか分からないな、というのが一番に思うことですかね。野球どうこうというか、今年はコロナの影響で開幕が大幅に遅れ、キャンプ、オープン戦のスケジュールも変わりました。いざ、開幕しますとなったときも、個人的には一軍から漏れて、1カ月後にジャイアンツにトレードになるという。本当に、自分の人生もそうですが、何があるか分からないんだな、と。
──6月19日の開幕から約1カ月、7月14日にジャイアンツへのトレードによる移籍が決まりました。
高梨 率直に言って、うれしかったですね。自分のことを求めていただいたというか、戦力として欲しいんだということを球団関係者の方にもお話しいただきました。ただ、僕のところに話が来たのは、トレードの発表があった日の午前中。そのころは二軍でしたから、普通にイーグルスの施設で練習をしていて、朝の9時半くらいだったかな? ランニングを終えたときに、ファームのスタッフの方に「ちょっと話があるんだけど」と言われてよくよく聞いてみたら、今日の13時に球団事務所に行ってくれ、と。服装はスーツか? と聞いたら、そのほうがいいねということだったので・・・
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