16年間在籍した球団を離れ、現役続行を希望する。横浜・DeNAで愛された男は完全燃焼できる場所を求め、決意をあらたにする。 取材・文=平尾 類(インプレッション) 写真=BBM 
15年に手術を受けるなど右ヒジに不安を抱えていた時期もあったが解消。安定した内野守備は健在
中畑氏からのメッセージ
石川雄洋がDeNAを今季限りで退団し、現役続行を決断した2週間後。ある動画を見る。テレビ東京がYouTubeで配信している映像で、元DeNA監督の
中畑清氏が石川について熱く語っていた。
「戦う魂はすごい強いものを持っている。監督と選手としてぶつかったときもあるけど、ぶつかるぐらいチームを思っている男だから。チャンスがあるんだったらユニフォームを着てもらいたいと思うし、中途半端に終わらせたくないなというのは俺の中にある」
動画を見た石川は涙をこらえるのに必死だったという。
「ありがたかったです。中畑さんはチームを、僕を変えてくれた方だと思っている。何度も衝突したし、本気で怒ってくれた」
横浜高で3年間を過ごし、横浜(現DeNA)にドラフト6位で入団して16年。気づけば生え抜きで最年長になっていた。最近5年間はAクラス3度と優勝を狙えるチームに成長したが、石川がレギュラーに定着した2008年からは5年連続最下位、8年連続Bクラスと低迷期だった。若手のときは試合に出るのに必死だったが、チームがなかなか勝てない。聞くに堪えないヤジをスタンドから毎日のように浴びせられる。「悔しかったですよ。試合中も試合後も『どうやれば勝てるんだろう』とずっと考えていたけどうまくいかなくて。ファンの方たちには申し訳ない思いをさせてしまった」と振り返る。
派手な外見で誤解されるが・・・
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