たかが1試合……、そう思いながらも、プロ野球選手なら誰もがこう続けるはずだ。されど1試合、と。プロ野球の歴史を彩る開幕戦のドラマを振り返る。 
巨人の新人・長嶋、4打席4三振1958年4月5日、巨人1─4国鉄[後楽園]
プロ野球対長嶋
「キャンプの初日でも、オープン戦の初戦でもね。最初の日というのは特別な気持ちになれる」
現巨人終身名誉監督、
長嶋茂雄の言葉だ。さらに開幕戦について、「やっぱり1年の初めだからね。厳粛な思いに包まれるというのかな。ファンの皆さんも特別な思い入れを持っている感じがしたからね」
と話している。
長嶋は球史に残る開幕戦の主役の1人でもある。1958年の巨人─国鉄(現
ヤクルト)戦は、東京六大学で当時の通算最多8本塁打の記録をつくった立大出身の新人・長嶋と、球界最強の怪腕・
金田正一の対決で盛り上がった。
金田は言う。
「世間はやっぱり六大学とプロの比較として見るわけね。そういうことにおいて少し嫌な気がした」
当時の六大学がプロ野球以上の人気があったことをまず頭に入れておいていただこう。長嶋は六大学を代表するスター選手であり、オープン戦では全球団で最多となる7本のホームランを日本各地のスタンドにぶち込んだ。新人ながら、プロ野球にとっての“黒船”でもあったのだ。
結果は・・・
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