右の強打者。広角に打ち分けるスタイルで、楽天・浅村栄斗にあこがれる。1年春から場数を踏んでおり、大舞台でこそ力を発揮するタイプだ。 取材・文=岡本朋祐 写真=椛本結城 
2019年5月に完成した室内練習場で打ち込む。金属バットだけでなく、将来を見据え、木製バットも使う
2017年12月。
吉野創士を見た昌平高・黒坂洋介監督の記憶は鮮明だ。
「その年の7月から監督に復帰し、東京城南ボーイズの大枝茂明監督へあいさつに行ったんです。選手を見させていただいたんですが、右投げ右打ちで、魅力的な選手だな、と。心身とも磨いていけば、良くなると確信したのを覚えています」
黒坂監督は昌平高の前身である東和大昌平高出身。駒大、シダックスを通じて外野手として活躍し、社会人では
野村克也監督の薫陶を受けた。現役引退後は母校の監督に就任し、08年まで務めた。サラリーマン生活を経て、再び、高校野球の指導現場へ戻ってきた。惚(ほ)れ込んだら、とことん惚れ込む熱血漢である。吉野に限らず、目に留まった選手がいれば、どこへでも飛んでいく。18年8月、大阪府内で開催されたボーイズ全国大会へ向かった。「まだ、返事をもらっていなかったんです。試合前夜になって、思い立った。気づいたら朝3時、ハンドルを握って高速道路に乗っていました(苦笑)」。そこで伝えたのは「一緒に甲子園を目指して、プロを目指そう!」。まさかの訪問に吉野は・・・
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