2014年のV逸の悔しさを知る者は数えるほど。主力が相次いで流出する中、生え抜きとして奮闘する2人のベテラン。ともにFA権を行使することなく残留したのは胸に秘める1つの強い思いからだ。試合に敗れ、低迷期を味わっても立ち上がり、前を向き続けた33歳コンビの存在が若手が芽を出すチームの土壌にある。 取材・文=鶴田成秀 写真=BBM
※成績は9月16日時点 自分が一番やりたいこと
さかのぼること5年前の2016年。敵地・仙台での
楽天とのシーズン最終戦は2回に同点に追いつくも勝ち越され、一方的な展開で1対8と完敗。この試合の勝敗は問わずチームの最下位は確定していたが、試合後、ベンチに一人残る
T-岡田は苛立ちを隠せずにいた。
「やっぱり負けるって悔しいですよ。最下位が決まっていても、足を運んでくれるファンがいる。そんな方たちのためにも勝ちたかったんです。最下位が決まっていたからこそ、最後くらい勝ちたかったんです」
低迷するチーム。同年のシーズン10試合を切ったころ、T-岡田は自ら当時の
福良淳一監督(現GM)の元へ行った。訴えたのは雰囲気を変えること。
「『今日も負けか』みたいな淡々とした雰囲気があった。このままなら来年も変わらない」
チームを変えたい。何より勝ちたい。そんな思いを胸に選手会長に就任。主将制度がなかったチームのリーダーを託され・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン