三菱重工は2021年1月、各地に4チーム(広島、神戸・高砂、名古屋、横浜)あった硬式野球部を東西2チームに再編・統合。三菱重工Eastと三菱重工Westとして新たなスタートを切った。2チームは激戦区の都市対抗予選を突破し、東京ドームで目指すは社会人野球の頂点だ。全選手が、正真正銘のトップアスリートとして常勝を目指していく。それが「三菱重工スポーツチャレンジ」の理念だ。 取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明、BBM 
代表決定リーグ戦で決着がつかず、6年ぶりの代表決定トーナメントを突破。東芝との第1代表決定戦では主将・江越海がサヨナラ打を放ち、胴上げされ、自身の誕生日を飾った
三菱重工Eastと三菱重工Westには、共通のスローガンがある。
『“フェアプレー”“チャレンジ”“ビクトリー”~正真正銘のトップアスリートからなる常勝チーム~』
三菱重工名古屋で18年の日本選手権初優勝へ導いた佐伯功監督(東北福祉大)は、こうとらえている。
「三菱重工スポーツチャレンジの基本コンセプトとして、新生チームが歩む方向性を示すものです」
佐伯監督は大阪高、東北福祉大を通じ投手で、卒業後はローソンで5年プレー。02年の廃部に伴い、三菱重工名古屋へ移籍し、06年まで現役を続けた。07年から5年のコーチ、12年から8年間、監督を務めた。20年は社業に専念する中で「晴天の霹靂(へきれき)だった」と、三菱重工Eastの監督就任要請。育ててもらった会社のため、心血を注ぐ覚悟を決めた。
昨年までの横浜チームを骨格として、名古屋から昨年、監督を務めた渡邊祐史コーチ(明大)に、選手4人、広島から8人が加入。拠点は引き続き、三菱重工金沢総合グラウンドを使用する。
役割を発揮するポジションリーダー
主将には長崎で4年、横浜で4年プレーした9年目・江越海地(長崎・海星高)が指名された。昨年、横浜は都市対抗西関東予選で敗退。佐伯監督は新チーム発足へ向けた準備段階として10月以降、横浜で選手と面談をしていた。
「横浜チームのコーチ陣からも話を聞く中で、最も認められ、信頼されている人間だと感じました」
副主将は置かず、ポジションごとにリーダーを据えた。投手は荒川一輝(城西国際大)、捕手は佐々木駿(国学院大、広島から加入)、内野手は矢野幸耶(北陸大)、外野手は八戸勝登(西南学院大)。江越海主将は「目の行き届かない部分もあるので、助けられています」と笑顔で語るが・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン