追い詰められた第5戦を劇的な勝利で収め神戸に舞い戻ったオリックスだったが、第6戦は激闘の末に延長12回で力尽き、25年ぶりの日本一はならなかった。夢は、来季へ持ち越しとなる。 文=米虫紀子(スポーツライター)、編集部 写真=毛受亮介 
2勝4敗で敗れ、厳しい表情でヤクルトの表彰を見つめるオリックス・中嶋聡監督
持ち味出し切れず
“球史に残る名勝負”。2021年の日本シリーズは、そう称えられる。毎試合、先発投手が引き締まった試合をつくり、終盤にドラマが待っていた。6試合すべて2点差以内、うち5試合は1点差で勝敗が決した。1点を争う白熱した攻防は、両チームのファンのみならず、すべての野球ファンをクギ付けにした。
だがオリックスについて言えば、持ち味を出し切れたとは言えない。戦い終えた中嶋聡監督の言葉からもうかがえる。
「この日本シリーズに関して言えば、もうちょっとできたのかなと思いますけどね。自分らの普段やっている野球なのか、と言えば、ちょっと違う気もした。どうしても気負いがあるのか、思ったように動けなかった」
今年のオリックスはこんなもんじゃなかった。打線にはもっとしつこさも破壊力もあったし、ミスを恐れず仕掛けていった。しかし・・・
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