9月7日の広島対中日(マツダ広島)で中日が珍しい球団記録をつくった。この日、広島投手陣から放った16安打は、すべてが単打だった。これだけ打ちながら長打が1本も出なかったのは……中日らしくもある。 マルチ安打を打った5人 珍記録も好記録にあらず?
この日のハイライトは何と言っても広島が9回裏、4点差を引っ繰り返してサヨナラ勝ちを収めたことだろう。9回裏、中日は守護神の
R.マルティネスが登板。セーブのつかない場面ではあったものの、万全を期しての投入だった。しかし最後は
坂倉将吾にサヨナラ3ランを浴びてジ・エンド。広島ファンにとっては最高の、中日ファンにとっては悪夢の結末となった。
しかし、試合に敗れた中日はその裏で珍しい球団記録を達成していた。同一試合での全安打単打最多記録である。数字は16。つまり16安打すべてが単打であり、長打は一本も出なかったということだ。1試合の安打がすべて単打というのはよくあるが、さすがに16安打も飛び出してすべて単打というのは珍しい。これまでの球団記録は
落合博満監督の下、2010年の9月2日の広島戦(ナゴヤドーム)で達成した15安打15単打。それを1つ更新しての球団新記録となった。ちなみに18年8月19日の
巨人戦(東京ドーム)でも16単打を記録してはいるが、この日はほかに1本が二塁打で17安打18単打という内容だった。
■9月7日/広島対中日18回戦(マツダ広島) 
※△は左投げ、□は両打ち
16安打の内訳は左安打7本、中安打が5本、右安打が4本。内野安打は1本もない。しかも16安打ともなれば、少なくとも第1打席で誰かに安打が出ているものだが、初安打は2周り目となった4回一死から。それまでは先発の
森下暢仁に完璧に封じ込まれていた。4回からコツコツと単打を積み重ねたわけだが、マルチ安打は5人もいたものの、猛打賞は1人もいない。16安打で7得点は評価の分かれるところだが、6四球もあったことを考えれば、果たして効率がよかったと言えるかどうか。
そして中日にとって何よりも痛かったのは、この球団新記録を勝利で飾ることができなかったことだ。16安打を放ちながらも、最後は無念のサヨナラ負け。ある意味、21年の中日の低迷を象徴するような試合でもあった。
はみだしMEMO 記録は語る
最多はロッテの「19」 同一試合の全安打が単打のプロ野球最多記録は中日の16ではなく、ロッテが持っている19だ。開幕間もない2010年4月4日の
オリックス戦(京セラドーム)で19安打19単打を記録した。2回を除く毎回安打で、試合は10対4でロッテが勝利している。当時の
西村徳文監督は「これだけ点を取れば普通は長打がある。何とかつなぐんだという気持ちの表れでしょう」とコメントしている。