頼もしい言葉が並ぶ。一軍デビューを果たした昨季を経て、開幕先発ローテ入り当確の3年目。目指すべきものは明確だ。エースと呼ばれる存在へ──。必要なことを手にするべく、スピードへの意識も口にする“令和の怪物”の快速球がチームの未来を明るく照らす。 取材・構成=鶴田成秀 写真=高塩隆、BBM 思考力も武器
落ち着いた口調が、昨季に得た課題を理解していることを物語る。進化の途上にいる20歳。一軍デビュー直前に「考えることも武器にしていきたい」と話していた右腕は、投げるたびに成長していく。 ──昨年は「投げながら学んでいきたい」と言っていたシーズンでした。学び得たものはなんだったのでしょう。
佐々木 う~ん、前半戦は試合感覚を取り戻すことに必死というか、「あぁ、こんな感じで投げていたな」と自分のことで精いっぱいだったんです。でも、後半戦は自分のボールを投げられるようになってきました。なので、自分のことだけではなく、配球を含め、バッターに対して「どういう攻め方をしていくか」を考えて投げることが、やっぱり大事なんだなって。あとは、1試合を通しての力の配分。そこが、あらためて分かったことですし、自分でもしっかりつかめるようになってきたのかなと思っています。
──「配球」「力配分」を再確認したことで、キャンプでの取り組みも変化が生まれたのではないですか。
佐々木 今年は開幕から先発ローテに入って投げたいと思っていたので、仕上がりを早くしてきました。昨年、試合で足りなかったところをやっていかないといけないと思ったのもありますし。
──足りなかったところ、ですか。
佐々木 まずは投げ続けること。シーズンもそうですし、1試合の中で長いイニングを投げることです。技術的なことで言えば、右バッターのアウトコースに投げ込めなかったというか、あまりうまく使えなかったので。
──確かに右打者の外角はキャンプのブルペンでも意識して投げていた印象です。
佐々木 ブルペンではしっかり(右打者への外角の)ラインに投げられるんです。でも、バッターが立つと微妙に変わってくるというか……。だから、バッターに立ってもらって、しっかり投げ込めるようにしてきました。あとは変化球です。
──オープン戦でも初球にカーブを投じるなど、その意識は垣間見えます。
佐々木 そうなんです。カーブをうまく使いたいな、と思っているんです。ストレートと球速差も出て、大きく曲がるボールなので、もっと使えるようになりたいな、と。そう思って、キャンプから重点的に練習してきました。
──目指す投手は「勝てる投手」ということを口にしてきましたが、それらも、もちろん“勝つため”と。
佐々木 はい。それに昨年、先発としてマウンドに上げていただき、やっぱり長いイニングを投げることが勝つために必要なことだと思ったんです。そこが一番。そのためには、どれだけ相手に意識を与えられるか。何を植えつけるか、何を意識させるかになってくるのかなって。そういう配球は・・・
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