侍ジャパントップチームを指揮する栗山英樹監督は、3月5、6日に予定されていた台湾との強化試合(新型コロナ禍で中止)で大学生2人を招集する予定で準備していた。その一人、打って、投げてのリアル二刀流を、NPBスカウトはどう見ているのか。興味深い「評価」を得ているようだ。 取材・文=岡本朋祐 写真=中島奈津子 
外野の間を抜けば、軽く三塁打。ミートがうまく、この一冬を越えて飛距離も増した実感がある
異次元の世界が広がっている。
矢澤宏太は開幕から3カードを終えた時点(4月24日現在)で、投げては3勝無敗、防御率0.64。打撃では打率.458、1本塁打、7打点と、首都大学リーグにおいて、圧倒的な存在感を放っている。しかも、驚きなのが「稼働率」である。出場全7試合でベンチに退いたのは、開幕戦の桜美林大1回戦を5回無失点(三番、4打数4安打3打点)でマウンドを降りた1試合のみ。各カード1回戦で先発して1完投、降板後に右翼へ回ったのは2試合、そして、2回戦3試合は主砲のDHでフル出場する流れとなっている。投手と野手、完全分業制の大学野球では特殊なケースだ。
最終学年を迎えて、目標は大きく分けて2つ。まずはチームとして「リーグ優勝と日本一」。個人としては「最優秀投手と首位打者」を掲げた。矢澤は2年秋に外野手、3年秋に投手部門のベストナインを受賞。3年春以降は1回戦で投手として先発しながら打席にも立ち、2回戦で打者という起用でプレー。今春、投打双方でのタイトル奪取となれば、リアル二刀流の新たな領域へと突入することになる・・・
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