新型コロナ対策の入場制限が緩和されスタジアムに熱気が戻ってきた。スポーツ観戦の醍醐味は、ライブ体験に尽きる。エースが気合いを吐き出しながら、ミットに投げ込む剛速球。四番打者がたたいた乾いた打球音。スタンドからの手拍子や拍手。どれも球場を訪れないと味わうことのできない、貴重な体験だ。過去2年、コロナ禍であっても12球団の本拠地は、新たなファンを迎えるために進化してきた。今号は「球場特集」として、スタジアムの魅力をお届けする。さあ、野球場に足を運ぼう! 
東京ドーム
日本で初の屋根付き球場として1988年に開場した。モデルはMLBツインズなどの本拠地として使用されたメトロ・ドーム。世界初のドーム球場であるアストロ・ドームが65年に建設されて以降、飛躍的に技術が進歩していき、85年に東京ドーム建設の工事が開始された。工事期間は1063日、延べ23万700人が工事に携わっており、開幕目前の88年3月に完成。卵のような外観から当初は「BIG EGG」の愛称でも親しまれていた。
すぐ隣にあった後楽園球場からの移転で、開場年から
巨人、
日本ハムが本拠地として使用。日本ハムが2003年に札幌へ移転してからは、巨人が唯一のフランチャイズとなっている。
当然、国内におけるドーム化の先駆けとなった球場で、完成当時は12球団の本拠地の中でも広い球場だったが、新しい球場が次々と建設されていったこともあり、現在ではむしろ狭い部類の球場に。空気圧を高くして屋根を膨らませる構造であることも相まって、ホームランが出やすい球場になっている。

ファンがライトスタンドへ入場する25ゲートはプライマリーマークを装飾して象徴的なゲートとなっている
今では東京ドームがそこにあるのが当たり前の光景になっているが、都心の駅前という絶好の立地、アクセスの良さはあらためて驚異的。海外ではなかなか見られない光景だろう。東京ドームアトラクションズ(元後楽園ゆうえんち)と隣接し、東京ドームを中心とした一大エンターテイメント空間になっていることも特徴的だ。
そのこともあって野球以外にもプロレスなどの格闘技の聖地でもあり、音楽のライブ・コンサートなども大規模なものが開催されている。さまざまなイベントが開催される多目的スタジアムとしても日本を代表する施設だ。今年からお披露目されている大幅リニューアルによって場内が黒と白を基調とした落ち着いたものになったのは、さまざまなイベントの「色」に染まりやすくするためでもある。
全天候型、都心という立地からWBCやプレミア12といった国際大会の舞台としても中心的な球場となっており、日本代表・侍ジャパンにとっても事実上の本拠地として機能している。
開場してからも多くの改善が施されており・・・
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