満員の神宮球場、
大勢のスワローズファンの前で決めたリーグ連覇。4カ月以上もの間、首位を走り続けての堂々たる優勝だったが、キャプテンの
山田哲人が涙を流したように、歓喜の瞬間が訪れるまでの道のりは決して平坦ではなかった。
18試合制では最高勝率での交流戦制覇を果たし、その勢いのまま史上初の11球団連続カード勝ち越し達成した6月。チームは5月中旬から7月頭にかけて、ハイペースで白星を重ねた。6月は球団最多タイの月間19勝を挙げ、7月2日には優勝マジック53が点灯した。史上最短でのリーグ優勝の期待もあった。
しかし、そんな絶好調のチームに暗雲が立ち込めたのが7月。新型コロナウイルスの集団感染が発生した。7月8~10日にかけて球団内で27人が陽性判定。選手は療養を経て復帰したものの、状態が整っていないのは明らかだった。
7月は6連敗を喫し、8月にも今季ワーストの7連敗。それでも
村上宗隆の本塁打量産とともにチームは状態を上げ、8月は12勝11敗1分と勝ち越しに成功。特に26日からの2位・
DeNAとの3連戦(横浜)では3連勝で一気に引き離した。
リーグ連覇を果たした
高津臣吾監督は、「開幕の大逆転から始まり、交流戦の優勝や、7月から新型コロナウイルス感染のまん延は残念でしたが、なかなか“和”が崩れない。すばらしいチームとなって戦えたので、9月25日を迎えられたと思う」とナインを称えた。チームスワローズは試練を乗り越え、またひとつ大きく成長した。
写真=榎本郁也、高塩隆、桜井ひとし